共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2024年3月

OS言語からみた「言語の語順」と「思考の順序」に関するフィールド認知脳科学的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
19H05589
体系的課題番号
JP19H05589
配分額
(総額)
199,550,000円
(直接経費)
153,500,000円
(間接経費)
46,050,000円

主語(S)が目的語(O)に先行するSO語順が、その逆のOS語順に比べて処理負荷が低く、母語話者に好まれる傾向があること(SO語順選好)が多くの研究で報告されている。しかし、従来の文処理研究は日本語や英語のようにSO語順を基本語順にもつSO言語を対象にしているため、SO語順選好が個別言語の基本語順を反映したものなのか、あるいは人間のより普遍的な認知特性を反映したものなのかが分からない。この2種類の要因の影響を峻別するためには、OS語順を基本語順に持つOS言語で検証を行う必要がある。そこで、本研究では、SO言語(日本語、トンガ語など)と消滅が危惧されるOS言語(タロコ語、カクチケル語など)を比較対照することによって、人間言語における語順選好を決定する要因ならびに、「言語の語順」と「思考の順序」との関係を明らかにする。聞き取り調査やコーパス調査、行動実験、視線計測、脳機能計測など多様な研究手法を駆使して、SO言語だけでなくOS言語にも当てはまる、脳内言語処理メカニズムに関するより一般性の高いモデルを構築し、言語と文化の垣根を超えて互いに分かり合える、より暮らしやすい共生社会の実現に向けて貢献する。
コロナ禍の影響で海外遠征ができなかったため、日本国内での研究に加えて、台湾とトンガの現地の研究者の協力を得て、主に以下の研究を実施した。(1)トンガ語の話題化とかき混ぜの処理負荷に関する行動実験 (2)トンガ語レキシコン・プロジェクト (3)タロコ語の対話コーパスにかかる動画の撮影と書き起こし (4)日本語レキシコン・プロジェクト (5)国際シンポジウム Issues in Japanese Psycholinguistics from Comparative Perspectives の実施

リンク情報
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-19H05589/19H05589_saitaku_shoken_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H05589
ID情報
  • 課題番号 : 19H05589
  • 体系的課題番号 : JP19H05589

この研究課題の成果一覧

論文

  26

MISC

  1

書籍等出版物

  2

講演・口頭発表等

  29