2003年3月
正しい人の快楽―プラトン『国家』第九巻における快楽論の意味―
法政大学文学部 『法政大学文学部紀要』第48号
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『国家』全篇の主題は、最も正しい人間の最も不正な人間に対する優越判定である。この判定は三つの証明によってなされるが、いわゆる快楽の真偽を論じる第二証明は研究者の間で批判が多い。小論は、この真偽論において、真偽の規準が(多くの研究者が考えるように)快楽が得られると思われる対象ではなく、魂のあり方にあるとプラトンは主張していることを論じる。全13頁