共同研究・競争的資金等の研究課題

1996年 - 1998年

国土計画における交流・連携効果の計測に関する理論と実証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
08455237
体系的課題番号
JP08455237
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
6,800,000円
(直接経費)
6,800,000円

わが国の国土計画をめぐる議論の中で、国土軸と地域連携軸の問題が重要なテーマとして注目されている。国土軸と地域連携軸は、一極集中型の国土を是正し、多極分散型国土を形成し、一軸集中型の高速交通体系から多軸・多層型のリダンダンシーをもったネットワークを形成し、さらに経済効率重視型の国土から、生活・安全・ゆとり重視の国土形成へと、国土計画の基本方向を転換しようとする哲学を背景にして生まれた戦略である。しかし、新しい戦略であるために、これらの軸形成の効果は従来型の経済効果、あるいは費用便益分析手法などでは測定できない。そこで、本研究では、国土軸に関する基礎調査に基づいて、国土計画における新しい戦略の効果測定のための研究を展開し,以下に示すようにその成果をまとめた。
1. 交流・連携の概念の具体化のために、理論的な考察による交流・連携の効果の定義と内容を明らかにした。そして、地域空間内での都市機能サービスの需要構造に及ぼす影響に関する理論的解明を行った。
2. 地域間の交流の程度の指標化のために、訪問した都市での滞在時間に着目した交流指標を提案した。そして、この交流指標について理論的な考察を行った後、高速道路の整備が地域間交流に及ぼす影響の実証分析を行った。
3. 国土計画や交通網整備による長期にわたる地域の変化を定量的にとらえる手法をいくつか示し、地域構造の変化を長期的・全国的な観点から実証的に明らかにした。
4. 都市間高速交通施設整備による利便性の向上を期待所要時間を用いることにより計測し、利便性の向上による便益計測から高速交通施設の整備効果の実証を行った。
5. 道路ネットワークの簡便でかつ実用的なリダンダンシー評価のために、ODパフォーマンス関数を用いたリダンダンシーの簡便評価法を構築し、現状のネットワークの評価だけでなく、事前・事後の対策による効果も評価できる手法を構築した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-08455237
ID情報
  • 課題番号 : 08455237
  • 体系的課題番号 : JP08455237