共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

光コム次元変換光学とその場自律校正法の創出によるサブアトム級3次元超精密計測

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
20H00211
体系的課題番号
JP20H00211
配分額
(総額)
44,980,000円
(直接経費)
34,600,000円
(間接経費)
10,380,000円

本研究では,次世代「つながる」超精密ものづくり実現に必須となる3次元超精密「絶対」形状計測基盤の確立を目的として,不等ピッチ絶対グリッド(不等間隔のものさし)および色収差レンズの分光作用をもとに,XYZ3軸絶対位置情報を光コム光源の光周波数情報に次元変換して検出する,極高感度絶対型XYZ位置コムを開発することを研究の目的としている.ナノメートル精度が限界である従来の計測・校正分離型信頼性保証(校正)体系の打破に向け,光コム光源をGPS衛星経由で「時間」の国家標準に直結することで実現する新概念の計測・校正一体型「その場自律校正体系」を確立し,遠隔地の生産現場における国家標準に匹敵する限界精度までの極高精度化を試みる.
本年度は当初計画の通り,レーザ波面を分割制御した後に重ね合わせ,光の干渉により不等ピッチ光干渉絶対グリッド定在波を生成する1軸光学系を構築した後,波面分割型干渉計光学系に非球面ミラーを1枚追加して2軸化した.2軸化に伴うXYビーム間の干渉による歪み成分抑制のため,偏光制御光学系を導入した.HeCdレーザ光源を用いたビーム拡大光学系と組み合わせて,定在波一括転写システムを構築した.構築した定在波一括転写システムを用いて露光実験を行い不等ピッチ2軸絶対グリッドを作製するとともに,グリッドのピッチおよび振幅などを評価した.さらに,不等ピッチ絶対グリッドを用いた絶対型XY位置コムとして,光学読み取りヘッドの光源として用いるフェムト秒レーザのスペクトル帯域,および不等ピッチ絶対グリッドのピッチ変動幅を考慮して,±1次反射回折光を捕捉する差動型ファイバ受光光学系を設計・構築する生成光学系を開発した.その基本特性を実験によって調べた。
また,次年度実施予定の不等ピッチ絶対グリッド製作システムの大面積化と最適化とともに,Z位置コム生成光学系に関する検討を前倒して実施した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00211
ID情報
  • 課題番号 : 20H00211
  • 体系的課題番号 : JP20H00211