MISC

2009年3月

「ウィトゲンシュタインの〈神との和解〉――自己嫌悪する自分から〈あるがまま〉の自分へ

『宗教学・比較思想学論集』(筑波大学宗教学・比較思想学研究会編)
  • 星川 啓慈

10
開始ページ
1-16
終了ページ
16
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
筑波大学宗教学・比較思想学研究会

ウィトゲンシュタインは紛れもなく哲学であるが、彼が自分の人生でもっとも重要視したのは「神との和解」であった。1993年末に発見された『日記』の読解を通して、彼がいかに「神との和解」に至ったかを跡づけた。1937年の最初の2か月の日記の内容、すなわち、自分および神/キリスト教信仰に対する姿勢が種々のバリエーションを呈しながら、彼の生涯において示されている。すなわち、この2か月の間の内的/精神的ドラマに、「宗教者のウィトゲンシュタイン」のおおよそのキリスト教観が凝縮されているのである。彼は、哲学について書く場合と、宗教について書く場合を意識的にわけていたと予想される。哲学研究者は哲学という彼の「光」の部分ばかりに目を向けているが、「影」としての宗教にも目を向けないと、ウィトゲンシュタインの生は理解できないであろう。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016607225
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11319600
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/10251537
ID情報
  • ISSN : 1344-1981
  • CiNii Articles ID : 40016607225
  • CiNii Books ID : AA11319600

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