2018年11月22日
書評: ヘルムート・ワーグナー著、佐藤嘉一監訳『アルフレッド・シュッツ――他者と日常生活世界の意味を問い続けた「知の巨人」』(明石書店、2018年)の出版に寄せて
綜合学術誌『アリーナ』
- 巻
- 号
- 第21号
- 開始ページ
- 366
- 終了ページ
- 370
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 中部大学
ワーグナーによるこの大著『アルフレッド・シュッツ』は翻訳書で500頁を優に超えるが、それでも、著者が書いた2600頁の原稿の20パーセントほどであるという。つまり、準備した原稿の上澄みだけの内容なのである。それだけ、凝縮された内容であり、かなり厳密な論述なので、気軽にスラスラ読める著作ではない。そこで、この大著を以下のような観点から論評した。⑴シュッツに影響を与えた人々、⑵シュッツにおけるライプニッツの重要性、⑶シュッツとベルクソン、⑷シュッツとフッサール、⑸自然的態度の現象学、⑹超越論的現象学批判、⑺シュッツと宗教学との関係。