2009年
江戸時代後期の文学作品における「手拭」の表現
京都府立大学学術報告生命環境学
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- 巻
- 61
- 号
- 開始ページ
- 19
- 終了ページ
- 38
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 京都府立大学学術報告委員会
本研究では, 手拭が庶民に広まった江戸時代後期に注目し, 文学作品における手拭の表現から, 当時の江戸の庶民と手拭の関わり方を明らかにすることを目的とする。文学作品に表現された手拭を表す言葉の出現数を調べた結果, 1700年代にはあまり見られず, 1800年代から急激に増加していること, 洒落本(1749~1802ごろ)→黄表紙(1775~1806ごろ)→滑稽本(1802~1866ごろ)の順に出現率が増加することがわかった。また, 文学作品中での手拭の使用方法やそれに対する評言などを考察した結果, 江戸時代後期の江戸の町の庶民にとっては, 手拭が, 日用品の一つであり, 実用性と同時に装飾性をも持ち合わせており, 見栄を示すアイテムでもあったことが明らかになった。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1882-6946
- CiNii Articles ID : 110008138593
- CiNii Books ID : AA12376290