MISC

2008年5月

斜頸が副神経麻痺によると考えられた後頭蓋窩上衣腫の幼児例

小児科
  • 赤坂真奈美
  • ,
  • 亀井 淳
  • ,
  • 千田勝一

49
6
開始ページ
883
終了ページ
886
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
金原出版(株)

1歳5ヵ月男児。新生児期に頭が左へ傾いていることに気づいたが、乳児健診で「習癖によるもの」といわれた。水痘に罹患後15日目から座ることができなくなり、近医で水痘後急性小脳失調症を疑われ、MRIにて後頭蓋窩腫瘍を認めたため、当科転院となった。意識清明で座位は数分、手をつなぐと歩行は可能なまでに回復していた。頭は左側に傾き右肩が下垂していた。頭部MRI T2強調像では、腫瘍が第4脳室を占め、右側Luschka孔を通り、延髄前面に進展していた。T1強調像の矢状断と冠状断では、腫瘍が第4脳室から発生し、脳幹を右側から圧排していた。上衣腫を疑い腫瘍を摘出、末梢血幹細胞移植を含む化学療法を行い、斜頸と肩下垂は消失した。組織診断で上衣腫と診断した。また失調症状は自然回復し、水痘罹患後の急性小脳失調症と診断した。術後1年9ヵ月後の3歳3ヵ月に頭痛、嘔吐、失調および斜傾と肩下垂をきたし、腫瘍が再発した。摘出術と放射線照射、インターフェロンβ併用の化学療法を行い、症状は消失した。それから1年6ヵ月後の4歳9ヵ月に腫瘍が再発し、同じ症状を繰り返し、手術と化学療法を行ったが5歳7ヵ月で死亡した。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016047068
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00116079
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/9506618
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2008225109
ID情報
  • ISSN : 0037-4121
  • 医中誌Web ID : 2008225109
  • CiNii Articles ID : 40016047068
  • CiNii Books ID : AN00116079

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