論文

2020年9月

河川水モニタリングにおけるGC-MS AIQS-DB法の同定定量精度の評価

環境科学会誌
  • 三保 紗織
  • ,
  • 亀屋 隆志
  • ,
  • 小林 剛
  • ,
  • 藤江 幸一

33
5
開始ページ
90
終了ページ
102
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.11353/sesj.33.90
出版者・発行元
社団法人 環境科学会

<p>本研究では,GC-MS AIQS-DB法を用いた河川水中有害化学物質の一斉分析について,定量精度に関する四つの指標と同定精度に関する三つの指標を挙げ,定量や同定が可能な範囲と対象物質の分析精度を低下させる要因について検討した。①繰り返し分析での定量値のばらつき,②定量下限,③共存物質による定量値の変化,④固相抽出での回収率,⑤共存物質による保持時間のずれ,⑥共存物質による類似度の変化,⑦共存物質によるS/N比の変化を実測結果に基づいてランク付けして点数化した。また,定量精度に関する総合指標と同定精度に関する総合指標を作成して,化管法対象物質265種280物質に適用した。その結果,134物質はスクリーニング分析として十分な精度を有したが,105物質は定量精度の低下や同定精度の低下に関して手動での確認を行うなど留意する必要があった。本研究で作成した定量精度と同定精度の総合評価マトリクスは,精度低下の原因が意味付けられたものであり,一斉分析によって得られる大量のモニタリングデータを,検出の有無や濃度としてだけではなく,その分析精度を併せて評価することができる。</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11353/sesj.33.90
URL
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007919243
ID情報
  • DOI : 10.11353/sesj.33.90
  • ISSN : 0915-0048
  • eISSN : 1884-5029

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