共同研究・競争的資金等の研究課題

2008年 - 2009年

電気刺激を用いた筋ステムセルバイオロジーの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究  挑戦的萌芽研究

課題番号
20650084
体系的課題番号
JP20650084
配分額
(総額)
3,100,000円
(直接経費)
3,100,000円

先行研究を参考に脱メチル化剤である5-アザシチジン(5-Azacitidine : 5-Az)を使用して,ヒト間葉系幹細胞(human mesenchymal stem cells : hMSCs)から筋への分化誘導について検討した.hMSCsを増殖させ,筋芽細胞増殖培地に切り替え,最終濃度3μMの5-Azを添加して筋への分化誘導を行った.添加24時間後,培地交換により5-Azを除去し,筋芽細胞増殖培地で培養を継続した.分化誘導前,誘導7, 14, 21, 26日後にサンプリングを行い,形態とmRNAの解析を行った.しかし,顕著な形態変化や分化マーカー(Pax7, MyoD, myogenin)の発現もみられなかった.MSCsは,中胚葉由来の組織へ分化できると考えられ,筋へも分化する能力があると考えられているが,実際には,遺伝子導入をせずに筋へ分化誘導できたという報告は少なく,できたとしても再現できないことも多い.今回も,いくつかの先行研究を参考に行ったが,再現できなかった.培養皿のコーティングや培地成分の検討を行う必要があると考えられる.
一方,生体内において機能を発揮するために,電気的シグナルが重要な細胞として神経がある.マウス骨髄細胞(MSCsを含むとされる)から神経に分化誘導できることが知られている.我々は,マウス骨髄細胞からの神経分化誘導時に,電気刺激を併用する研究を行ったところ,神経への分化誘導効率が向上する結果が得られた.したがって,MSCsから筋へ分化誘導できる条件が確立できれば,電気刺激を併用することで,高率に筋へ分化誘導,分化促進できると推察される.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20650084
ID情報
  • 課題番号 : 20650084
  • 体系的課題番号 : JP20650084