2016年3月
Ælfricのmarried saints作品群をめぐって--Diplomatic Texts of Aelfric's Lives of Married Saints, Trial Version
昭和女子大学女性文化研究所
- 巻
- 号
- 43
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 27
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 昭和女子大学女性文化研究所
エルフリックは、自らのパトロンであり、10世紀英国の修道院改革の強力な支持者であるエゼルウェアルドとその息子のエゼルメルの求めに応じて『聖人伝』を書いた。その中で注目に値するのは、宗教的に微妙な問題を含む「既婚聖人」を彼が敢えて扱ったことである。
「既婚聖人」の物語は、ラテン語の原典が大陸から英国に伝播し、7世紀のアルドヘルム、8世紀のビード、9世紀の作者不詳の『古英語殉教者伝』などを経て、当初はラテン語で、後に英語で英国人作者によって形を変えられながら人々の間で受容されてきた。
その受容の過程を分析するにあたり、本稿では写本に忠実なディプロマティック・テクストの編纂を行った。同時に既存の版との照合作業及び修正提案も行った。
「既婚聖人」の物語は、ラテン語の原典が大陸から英国に伝播し、7世紀のアルドヘルム、8世紀のビード、9世紀の作者不詳の『古英語殉教者伝』などを経て、当初はラテン語で、後に英語で英国人作者によって形を変えられながら人々の間で受容されてきた。
その受容の過程を分析するにあたり、本稿では写本に忠実なディプロマティック・テクストの編纂を行った。同時に既存の版との照合作業及び修正提案も行った。