背景：前期高齢者と後期高齢者の身体活動状況を比較した研究は少ない．本研究では，加速度計により高齢者の歩数および強度別活動時間を測定し，前期高齢者と後期高齢者で比較することを目的とした。方法：対象者は，前期高齢者68名（男性23名，71±３歳；女性45名，70±３歳）および後期高齢者65名（男性29名，80±４歳；女性36名，79±３歳）とした。身体活動は，加速度計を用いて２週間連続して測定した。結果：１日の総歩数は，前期高齢者（男性，７，252±4，790歩/日；女性，７，828±３，568歩/日）と比較して後期高齢者（4，631±3，761歩/日；5，827±2，546歩/日）が有意に低い値を示した。低強度活動時間は，前期高齢者（男性，55.8±25.1分/日；女性，61.1±22.6分/日）と比較して後期高齢者（41.2±29.1分/日；51.4±17.6分/日）が有意に少なかった。低強度での活動時間の割合は，男女ともに後期高齢者は前期高齢者より有意に高い値を示した。中等強度以上活動時間は，前期高齢者（男性，19.1±22.1分/日；女性，22.1±17.7分/日）と比較して後期高齢者（9.2±13.9分/日；12.4±11.7分/日）が有意に少なかった。中等強度以上での活動時間の割合は，男女ともに後期高齢者は前期高齢者より有意に低い値を示した。考察：これらの結果は，後期高齢者は前期高齢者と比較して著しく歩数が低下し，中等強度以上での活動より低強度での活動で過ごす時間が多いことを示唆している。