MISC

2002年7月25日

犬精巣上体精子におけるレクチン結合性および受精能獲得

The journal of veterinary medical science
  • 河上 栄一
  • ,
  • 森田 悠子
  • ,
  • 堀 達也
  • ,
  • 筒井 敏彦

64
7
開始ページ
543
終了ページ
549
記述言語
英語
掲載種別
出版者・発行元
社団法人日本獣医学会

犬の精巣上体内の精子表面における糖蛋白質の特性を調べる目的で,12頭から摘出した精巣および精巣上体の頭部・体部・尾部の割面をスライドグラスにスタンプし,各部位の精子を6種類のFITC-レクチン(ConA,DBA,PNA,PSA,SBA,WGA)で蛍光染色した.また,精巣上体体部の精子を3回洗浄し,それら精子へのレクチン結合性を調べた.さらに,洗浄した精巣上体体部および尾部精子を24時間培養し,それら精子の受精能を,精子活力(%MO),hyperactivation誘起率(%HR),acrosome reaction誘起率(%AR)および犬卵子透明帯への結合精子数(ZP結合数)を調べることによって評価した.その結果,精巣精子はSBAレクチンに染色されなかったが,上体頭部の精子では,その頭部全体がSBAに対して強い染色性を示した.体部精子の頭部全体または頭帽は,レクチン6種全てに染色されたが,尾部精子は,DBAおよびSBAによって染色されなかった.さらに,体部精子では,DBAおよびSBAの蛍光性が洗浄後に消失した.培養24時間後における尾部精子の%MO,%HA,%ARおよびZP結合数の平均値は,体部精子のそれらより高値を示した.また,体部および尾部精子ともに,洗浄後の%MO,%HA,%ARおよびZP結合数は,いずれも無洗浄精子におけるそれらの平均値より高く,とくに,体部の洗浄精子のそれらは,%ARを除き有意に高値であった(P<0.05,0.01).本実験成績から,犬の精巣上体精子表面のDBAおよびSBAレクチン結合糖蛋白質は,犬精子の受精能獲得を抑制している可能性のあることが示唆された.

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003920913
CiNii Resolver ID
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000005512468