2010年 - 2012年
シャペロニンGroELのドメイン間情報伝達機構に関する機能的・速度論的解析
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C), 基盤研究(C)) 基盤研究(C), 基盤研究(C)
本研究では,大腸菌由来のシャペロニンGroELのサブユニットが持つドメイン構造に注目し,3個のドメインを連結する2ヶ所の蝶番部位にポリペプチド鎖末端を移動させ,この蝶番部位を切断した円順列変異体を用いてGroELの分子メカニズムとドメイン構造との関係を明らかにすることを目指している。平成22年度,23年度の2年間においては,この目標に沿って変異体の作成と評価,並びにストップト・フロー方による変異体の動的構造解析を実施した。その結果,GroELの頂上ドメインと中間ドメイン間を切断した変異体(GroELCP376変異体)では,変性タンパク質の認識・結合を担うGroELの頂上ドメインが特異的にATPの結合・加水分解のシグナルにしたがって構造変化をしなくなったことを突き止め,シャペロニン機能の低下に関する構造的根拠を見出した。一方,GroELの赤道ドメインと中間ドメインを切断した変異体(CP86変異体)については,平成23年度の実験で頂上ドメインにトリプトファン残基の蛍光レポータを導入し,この蛍光を指標に頂上ドメインの構造変化を解析した。興味深いことに,CP86変異体ではATPの結合・加水分解に伴うGroEL頂上ドメインの様々な構造変化が全く検出されなくなった。CP376変異体では頂上ドメインのある1つの重要な構造変化にのみ変異の影響が限定されていた事と対比させ,現在GroELサブユ...
- ID情報
-
- 課題番号 : 22570119