MISC

2017年8月

顔面の腫脹を契機に発見されたAIDS関連型Kaposi肉腫の1例

皮膚の科学
  • 西田 麻里奈
  • ,
  • 山中 美佳
  • ,
  • 深井 和吉
  • ,
  • 鶴田 大輔

16
4
開始ページ
248
終了ページ
253
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11340/skinresearch.16.4_248
出版者・発行元
日本皮膚科学会-大阪地方会・京滋地方会

20歳代、男性。初診10年前に眉間部にヒアルロン酸注射を行った。2ヵ月前より眉間から眉弓の腫脹を自覚し、異物肉芽腫が疑われ当科受診となった。初診時、眉間から眉弓にびまん性の腫脹があり、その腫脹は眼の周囲や頬部まで拡がっていた。眉間部から皮膚生検を行ったが、確定診断には至らなかった。3週間後の再診時に、両頬部や鼻尖部、鎖骨部に暗紫色局面がみられ、病歴から同性愛者であることが判明し、HIV抗原抗体検査は陽性であった。鎖骨部の皮膚生検では、Kaposi肉腫(KS)の診断であった。KSとKoebner現象の関連性は過去に報告されており、自験例では眉間部へのヒアルロン酸注射がKSの発症に関連した可能性が考えられる。本邦においてAIDS患者は年々増加傾向であり、早期発見において皮膚科医の果たす役割は大きい。皮疹に先行して浮腫や腫脹がみられるKSがあること、そしてHIV陽性の場合は外的刺激によってKS発症のリスクになりうることに留意しておく必要がある。(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11340/skinresearch.16.4_248
ID情報
  • DOI : 10.11340/skinresearch.16.4_248
  • ISSN : 1347-1813
  • 医中誌Web ID : 2018121120

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