論文

2000年7月

【手指欠損の再建(先天性および後天性)】 先天性手指欠損の再建

形成外科
  • 柴田 実
  • ,
  • 城倉 雅次
  • ,
  • 善財 慶治
  • ,
  • 椙谷 昌子
  • ,
  • 鈴木 肇
  • ,
  • 飛沢 康友
  • ,
  • 宮田 昌幸
  • ,
  • 関 利明

43
7
開始ページ
661
終了ページ
676
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
克誠堂出版(株)

マイクロサージャリーを用いた手指欠損再建例の成績を検討し,その利点,問題点を検討した.先天性手指欠損の再建には血管付組織移植を用いない従来法とこれを用いた再建法がある.前者は欠損した機能を獲得するのに優れているが,後者は欠損部を新たに再建・付加できることと,再建組織の術後の成長を期待できる点が大きな利点である.成績としては,非血管付骨膜付8趾骨移植ではいずれも骨端線が開存しており,成長中である.指骨延長の4例では1〜2.5cmの延長が,前腕骨延長の5例で3〜5cmの延長が得られた.指節骨癒合症4指では関節移植により40〜102°の可動域を獲得した.その他,低形成母指に対し,関節移植により指の数が温存され,幅広い手で強い握力が得られた.移植組織を用いた先天性手指欠損の再建適応は限られてはいるが再建により得られる成果と採取部の欠損のバランスを考えて行えば優れた方法である

ID情報
  • ISSN : 0021-5228
  • 医中誌Web ID : 2001017361

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