1993年
乳癌におけるホルモンレセプターの臨床病理学的および免疫組織化学的検討
杏林医学会雑誌
- 巻
- 24
- 号
- 1
- 開始ページ
- 99
- 終了ページ
- 110
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11434/kyorinmed.24.99
- 出版者・発行元
- 杏林医学会
乳癌におけるエストロゲンレセプター(ER)およびプロゲステロンレセプター(PgR)の臨床病理学的ならびに免疫組織化学的検討を行い,以下の結果を得た。臨床病理学的検討では,レセプターの有無と平均年齢・閉経との間に関連性があることが認められたが,腫瘤径・病期・リンパ節転移・組織型との間では関連性は認められなかった。術後早期の健存率および生存率において,ER(+)PgR(+)乳癌とER(-)PgR(-)乳癌の間に有意差が認められた。また,乳癌組織におけるER・PgRの局在について免疫組織化学的に観察を行った。光顕観察では,ER・PgRはともに乳癌細胞の核内に存在し,さらにheterogeneityが確認された。電顕観察においては,ER・PgRは核内のクロマチンに一致し分布していると思われた。以上より,乳癌のER・PgRは,癌細胞の核内に存在し,癌の増殖に関与すると推測された。また,臨床病理学的には年齢・閉経との関連があり,予後に影響するものと考えられた。
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- ID情報
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- DOI : 10.11434/kyorinmed.24.99
- CiNii Articles ID : 110007373973