2019年4月 - 2023年3月
カイガラムシの性分化メカニズム解明とそれを標的とする害虫防除剤開発への応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
カイガラムシは発育において顕著な性的二型を示す。本研究課題では、カイガラムシの性特異的形質の発現において「内分泌カスケード」と「性決定・性分化カスケード」の間に存在するクロストークの全容解明を目的とする。さらに、こうしたカイガラムシに特有のカスケードを阻害・撹乱することによって致死効果をもたらすような、画期的な新規害虫防除剤の開発を目指す。
今までに我々は、他種昆虫で成虫形態形成に関わることが知られる転写因子E93が、カイガラムシにおいてはオス特異的に発現することを見出した。2019年度はミカンコナカイガラムシを対象として、E93の転写調節機構の解明を進めた。主要な研究成果は以下の通りである。
【幼若ホルモン (JH) による転写因子E93の転写調節機構解明】約6.2 kbのE93プロモーター領域を含むレポーターベクターを作成し、JHの初期応答遺伝子であるKr-h1タンパク質発現ベクターと組み合わせてレポーターアッセイを実施した。段階的な削り込みにより、Kr-h1の結合する領域を約160 bpにまで絞り込んだ。
【性決定因子Doublesex (Dsx) によるE93およびjhamtの発現制御機構解明】約6.2 kbのE93プロモーター領域に対して性決定因子Dsxのタンパク質発現ベクターを組み合わせてレポーターアッセイを実施したが、顕著なレポーター活性は見られなかった。JH生合成酵素の1つをコードするjhamtのプロモーター領域(約5.3 kb)についても、Dsxタンパク質発現ベクターを共存させたレポーターアッセイを実施したが、やはりレポーター活性は見られなかった。よって、今回検証したE93およびjhamtはDsxによって転写が制御されるターゲット遺伝子であると証明することはできなかった。
今までに我々は、他種昆虫で成虫形態形成に関わることが知られる転写因子E93が、カイガラムシにおいてはオス特異的に発現することを見出した。2019年度はミカンコナカイガラムシを対象として、E93の転写調節機構の解明を進めた。主要な研究成果は以下の通りである。
【幼若ホルモン (JH) による転写因子E93の転写調節機構解明】約6.2 kbのE93プロモーター領域を含むレポーターベクターを作成し、JHの初期応答遺伝子であるKr-h1タンパク質発現ベクターと組み合わせてレポーターアッセイを実施した。段階的な削り込みにより、Kr-h1の結合する領域を約160 bpにまで絞り込んだ。
【性決定因子Doublesex (Dsx) によるE93およびjhamtの発現制御機構解明】約6.2 kbのE93プロモーター領域に対して性決定因子Dsxのタンパク質発現ベクターを組み合わせてレポーターアッセイを実施したが、顕著なレポーター活性は見られなかった。JH生合成酵素の1つをコードするjhamtのプロモーター領域(約5.3 kb)についても、Dsxタンパク質発現ベクターを共存させたレポーターアッセイを実施したが、やはりレポーター活性は見られなかった。よって、今回検証したE93およびjhamtはDsxによって転写が制御されるターゲット遺伝子であると証明することはできなかった。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H02969
- 体系的課題番号 : JP19H02969