2017年4月 - 2022年3月
日中バイリンガル幼児のコード・スイッチングに見られる普遍的制約
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
今年度は、前年度までに行った国際学会での発表を踏まえ、論文の執筆に専念した。
投稿中の論文のうち、1本は日本語の「の」と中国語の「的」助詞の性質を、コードスイッチングの面から比較した。その結果、「の」は文の主要部が日本語のときに現れるのに対し、「的」の出現はランダムであった。このことから、「の」は文の構成と深く関わるOutsider System Morpheme で、「的」は単なる連結形態素であるという統語的な違いを明確にした。
もう一本は、言語心理学的にバイリンガルは2つのコードを同時に活性化しているという事実を踏まえ、生成文法における併合操作が、Chomskyが考えるほど単純なものであってはならないことを、データをもとに主張するもので、事実と理論のバランスが取れた研究となっている。Chomskyは強いミニマリスト仮説に基づき、Mergeをシンプルに保つため、Parallel MergeやSideward Movementを否定するが、同時に活性化した2つのコードが融合する事実を踏まえれば、これは強すぎる仮説であると言わざるを得ないのである。
準備中の論文については、一本は、分散形態論の立場から、コードスイッチングの分野で有力な4-M Modelを批判しつつ、形態論を発展させることを試みている。特に語内部のコードスイッチングに関しては、幅広いデータを説明できたと考える。
もう一本の論文(準備中)は、フェイズに基づくSpell-outがコードスイッチングの境界であることを示すことを試みている。
最後に研究分担者は、高省略に関する論文を国際的な雑誌に発表している。
投稿中の論文のうち、1本は日本語の「の」と中国語の「的」助詞の性質を、コードスイッチングの面から比較した。その結果、「の」は文の主要部が日本語のときに現れるのに対し、「的」の出現はランダムであった。このことから、「の」は文の構成と深く関わるOutsider System Morpheme で、「的」は単なる連結形態素であるという統語的な違いを明確にした。
もう一本は、言語心理学的にバイリンガルは2つのコードを同時に活性化しているという事実を踏まえ、生成文法における併合操作が、Chomskyが考えるほど単純なものであってはならないことを、データをもとに主張するもので、事実と理論のバランスが取れた研究となっている。Chomskyは強いミニマリスト仮説に基づき、Mergeをシンプルに保つため、Parallel MergeやSideward Movementを否定するが、同時に活性化した2つのコードが融合する事実を踏まえれば、これは強すぎる仮説であると言わざるを得ないのである。
準備中の論文については、一本は、分散形態論の立場から、コードスイッチングの分野で有力な4-M Modelを批判しつつ、形態論を発展させることを試みている。特に語内部のコードスイッチングに関しては、幅広いデータを説明できたと考える。
もう一本の論文(準備中)は、フェイズに基づくSpell-outがコードスイッチングの境界であることを示すことを試みている。
最後に研究分担者は、高省略に関する論文を国際的な雑誌に発表している。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K02670
- 体系的課題番号 : JP17K02670
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
東アジア国際言語研究 (4) 65-76 2023年4月 査読有り
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Target. International Journal of Translation Studies 2021年8月11日 査読有り
講演・口頭発表等
1-
The 8th International Conference on Formal Linguistics 2018年11月24日 Chinese Association of Formal Linguistics