2013年 - 2015年
発達障害児に認められる道具使用時の「不器用さ」の発症要因と支援方法に関する研究
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 25350608
- 体系的課題番号
- JP25350608
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 4,940,000円
- (直接経費)
- 3,800,000円
- (間接経費)
- 1,140,000円
- 資金種別
- 競争的資金
発達性協調性運動障害は多くの発達障害に合併することが報告されているが,その症状は主観的な評価しか行われていないことが多く,具体的にどのような機能特性が不器用な印象を与え,正確な運動遂行を阻害しているのかは不明な点が多い.本研究では発達課題として用いられることの多い「はさみ操作」を,運動力学的な視点と操作の巧みさから分析する評価方法を提案し,その臨床的有用性について検討を行う.方法は左右でループサイズの異なる事務用はさみを用いて,一辺15cmの正方形に裁断したコピー用紙内に1mmの線で描かれた直径10cmの円と,直径5cmの半円を交互に上向きと下向きに配置した波型を切ってもらった.本年度は対象者として健常成人5名,発達障害児4名で実施した.分析にはハサミ操作指の接触部位に小型圧力センサを設置し,はさみ操作時に各指にかかる圧変化を分析した.結果は健常成人では左右手とも切り損じはなく正確なはさみ操作ができていた.ループの開閉回数,所要時間とも個人間差があったが,左右手の違いでは左手では所要時間が増加し,開閉回数は増加と減少のどちらかの方略と取るものに分かれていた.発達障害児では円と波型課題それぞれの切り損じの総距離が,健常成人よりも明らかに長いものがいたが,開閉回数や所要時間では健常成人と明確な差はなかった.各指にかかる圧力は,健常成人では右手操作では拇指と中指が同程度の圧力で開閉を繰り返しているが,左手操作ではどちらかの指の圧力が上昇する傾向にあった.発達障害児では拇指の圧力が強くなり,開閉に伴い圧力が極端に変動する傾向も認められた.動作分析の結果では発達障害児で肩関節の動きがより大きくなる傾向にあった.更に,本年度では操作指の圧力を3軸で測定できる機器の開発が終了し,今後はハサミ操作に関わる手指のより詳細な運動学的分析が可能となった.
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- ID情報
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- 課題番号 : 25350608
- 体系的課題番号 : JP25350608