待機的経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後、3年間にわたり心血管イベントがなく、外来通院中で、健康関連QOL測定用質問票SF-36による調査ができた88症例(男性74例・女性14例、平均年齢65.7±8.0歳)を対象に、QOLの低下について検討した。その結果、日常役割機能-身体、身体の痛み、活力、日常役割機能-精神、心の健康の各スコアはPCI前に比べ1年後、2年後、3年後に有意に増加し、身体機能スコアはPCI前に比べ1年後、2年後で有意に増加していた。一方、全身的健康感(GH)スコアはPCI前と比較し、PCI後に有意な変化は認められなかった。また、PCI患者のQOLはPCI前に比べ1年後で向上、それ以降は著変なく、3年時まで良好な結果が続いていると示唆された。尚、SF-36の下位8尺度中、GHスコアのみPCI前後で向上、改善しないことが示唆された。