共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

新規HBV感染症モデルを用いた治療的ワクチン療法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K08440
体系的課題番号
JP19K08440
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本年度は、主に新規HBV感染モデルマウスにおける宿主免疫応答の検討を行った。本新規モデルマウスはHSV-TK-WT(TK-WT)マウスにガンシクロビルを腹腔内投与することによりHSV-TK遺伝子が導入されている肝細胞が傷害を受け脱落し、その後HBVTgマウスから採取した肝細胞を経脾臓的に投与し慢性のHBV感染モデルを作製する。おおよそ約4割のマウスでHBVTgマウスからの肝細胞が定着するが、定着したマウスと定着しなかったマウスとでHBV特異的な宿主免疫応答の違いが認められた。定着したマウスでは血清HBs抗体の減少がみられた。一方、定着しなかったマウスでは抗体価の減少は認められなかった。また、HBs抗原特異的なIFN-gの産生能をELISPOTアッセイで検討したところ、定着がみられたマウスでは定着しなかったマウスに比べその産生能の低下がみられた。これらの結果よりHBVTg肝細胞が定着したマウスではHBs抗原特異的液性免疫および細胞性免疫が低下していることが予測された。さらに、HBVTg肝細胞が定着したモデルマウスと野生型マウスにHBs抗原およびアジュバンド(CpG-SPG)により免疫を行ったところ、本モデルマウスでは、血清HBs抗体価および脾細胞におけるHBs抗原特異的IFN-gの産生能は野生型マウスに比し低下していた。以上の結果より、本モデルマウスの免疫応答は慢性のHBV感染症患者に極めて類似していることが明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K08440
ID情報
  • 課題番号 : 19K08440
  • 体系的課題番号 : JP19K08440