2021年11月
かむを測り、気づき、変えるための食育プロジェクト パイロットスタディ
日本咀嚼学会雑誌
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- 巻
- 31
- 号
- 2
- 開始ページ
- 83
- 終了ページ
- 90
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (NPO)日本咀嚼学会
咀嚼行動改善に対する啓発活動は多々行われているが、具体的な数値をもって咀嚼行動の改善を図る試みはほとんど行われていない。そこで、咀嚼回数計を使って自身の咀嚼行動を認識し、その問題点や改善点を考え、自発的な咀嚼習慣の行動変容を目指す「かむを測り、気づき、変えるための食育プロジェクト」を考案した。本研究の目的は、給食を用いて本プロジェクトを行い、発育期の児童に与える咀嚼行動変容効果を検討することである。対象は、新潟県内の1ヶ所の小学校5年生19名(男子7名、女子12名)とした。まず咀嚼回数計(シャープ社製bite-scan)を使用して3日間の給食時の咀嚼行動(咀嚼回数、一口あたりの咀嚼回数、食事時間、咀嚼テンポ、姿勢、動作の大きさ)を計測した。その後、咀嚼に関する授業を行うとともに最初の3日間の結果を配布して児童に自分の咀嚼行動の特徴について検討させた。さらに、各自が改善したい目標を掲げ次の5日間において咀嚼回数計を用いた介入を行った。最後に、3日間の給食を用いて再評価を行った。その結果、多くの児童たちは自身の咀嚼行動の長所と短所の両方に気づくことができた。また、介入後には咀嚼回数、食事時間、一口あたりの咀嚼回数、および咀嚼テンポは有意に増加し、姿勢、動作の大きさは有意に改善した。以上より、児童自身で立案した目標に向かって咀嚼行動変容を促した結果、効果的な行動変容を得ることができた。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0917-8090
- eISSN : 1884-4448
- 医中誌Web ID : 2022069834