うだうだWeblog2 Researchmap出張版
2024年研究(あくまで)計画表
2024年
(1) 第193回HPC研究発表会 2024-03: 2024-01申込〆切, 2024-02予稿〆切
「マルチコンポーネント型多倍長精度浮動小数点演算を用いた複素LU分解の高性能化」
(2) ICCSA 2024 2024-07:2024-03-15(金) 〆切
「Performance evaluation of accelerated complex multiple-precision LU decomposition」
(3) 静岡理工科大学紀要原稿:2024-03-26(火)提出22(金)〆切
「指数部長の長い多倍長精度浮動小数点演算に対応した尾崎スキームの実装」
「Pythonプログラミング環境における多倍長複素線形計算の高速化」
(4) SWoPP2024: 2024-05申込〆切,2024-06予稿〆切
「SIMD + OpenMPを用いた多倍長精度SpMVの高速化(とその応用)」
(5) 第50回数値解析シンポジウム: 講演申込2024-05-01〆切, 予稿2024-05-22〆切
「Lanczos法とDKA法を用いた多倍長精度固有値ソルバーの性能評価」
(6) ICNAAM 2024 2024-09: 2024-06投稿〆切:5月以降の課題
「Rebuilding ODE solver using optimized multiple precision BLAS」or
「Accelerated real and complex LU decomposition and its application on Python environment」
(7) 環瀬戸内応用数理部会第28回シンポジウム: 2024-11申込?
「Python環境における可変長精度数値計算モジュールの実装と性能評価」
or 「多倍長精度ODEソルバーの高性能化」
or 「WASMを用いたWeb上の多倍長精度線形計算の高速化」or「Pythonを用いた高速多倍長精度数値計算環境の実装と性能評価」
2025年
(1) HPC研究発表会: 2025-01申込〆切, 2025-02予稿〆切, 2025-03発表
「混合精度同時反復法のMPI並列化」
(2) ICCSA2025:2025-03〆切
「Performance evaluation of multiple-precision eigenvalue solver with Lanczos and DKA method」
(3) 静岡理工科大学紀要原稿:2025-03〆切
「多倍長精度数値計算の過去・現在・未来」
(4) SWoPP2025: 2025-05申込〆切, 2025-06予稿〆切
「未定」
(5) 第51回数値解析シンポジウム: 2025-05申込〆切, 2025-06発表
「未定」
(6) 環瀬戸内応用数理部会第29回シンポジウム: 2025-11申込〆切, 2025-12発表
「未定」
2026年, 2027年, 2028年, 2029年, 2030年, 2031年, 2032年, 2033年, 2034年
2023年 研究集会・論文〆切予定表
文字数制限のため,あまり書き込めないこのblog機能,使い道がないかと思っていたが,研究集会参加と論文〆切の予定をチマチマ書く程度なら,制限にも引っかからずに済むと考えたので試しにやってみることにする。2022年内〆切のものはもうないので,2023年度から開始というのも切りが良い。来年度以降は院生さんも修了しているので,のんびり定常運転(査読1~2件,口頭2~3件)ペースでやっていくつもりです。
2023年
(1) IPSJ ACS論文誌 1月中旬〆切→1/20(金)投稿完了
打桐・幸谷「Ozakiスキームを用いた多倍長精度行列乗算の高速化」
(2) HPC研究会 2023-03-15 - 17:2023-01-13(金)申込済,2023-02-13(月) 23:59原稿〆切→2/13(月)提出完了
幸谷・打桐「最適化した多倍長精度基本線形計算ライブラリの開発」
(3) ARITH 2023:2023-03-12(日)投稿〆切→4/30(日)投稿・校正済み
幸谷「Acceleration of complex multiple-precision matrix multiplication using Strassen algorithm and Ozaki scheme」
(4) 静岡理工科大学紀要原稿:2023-03-24(金)〆切→3/23(木)投稿完了
幸谷「数値計算における統計的誤差推定方法の提案」
(5) ICCSA 2023 2023-07-03 - 06:2023-03-26(日)〆切→3/23(木)投稿完了
幸谷・打桐「Optimization of multiple precision LU decomposition using Ozaki scheme」
(6) ICIAM 2023 :2023-08-20 - 25(早稲田大学早稲田キャンパス) 2023-04-20(木)アブストラクト〆切→2/1(水)投稿完了
Mini Symposium "Exploring Arithmetic and Data Representation Beyond The Standard in HPC" 参加(受理済み)
幸谷「Implementation of highly optimized multiple precision BLAS: Strassen vs. Ozaki scheme」
(7) SWoPP2023: 2023-05申込〆切,原稿〆切 2023-06-30
幸谷「マルチコンポーネント型多倍長精度複素行列乗算の実装と性能評価」(HPC)
幸谷「多倍長精度演算を用いた直接法に基づく実行列の固有値計算の試み」(MEPA)・・・できるかな?(無理)
(8) 第49回数値解析シンポジウム: 2023-05-26申込,原稿〆切 2020-06-23
幸谷「3M法を用いたマルチコンポーネント型多倍長精度複素BLASの実装と性能評価」(しないかも)
(9) ICNAAM 2023 2023-09-11 - 17: 2023-06-26 (月)投稿〆切
Tomonori Kouya, "A proposal of statistical round-off error estimation and its application on TensorFlow"(間に合わず)
(10) 環瀬戸内応用数理部会第27回シンポジウム
「3M 法を用いたマルチコンポーネント型多倍長精度複素LU 分解の性能評価」
研究日記
このblog,文字数制限があってあまり沢山書けないので,ついつい放置状態になってしまうので,使い方を考えた結果,日々少しずつ行っている研究活動をメモ代わりに書き付けておくという手があることに気がついた。ということで,なるべくこれからは本日やったことをここに書き付けておくことにする。自分以外には全く役に立たない記事だが,読まれることを想定しないのでこれで良いのである。何より,SNS連携していないところが良い。
- 行列乗算,行列ベクトル乗算ベンチマーク・・・Corei9マシンとEPYCマシン。Xeonマシンはまだ別の計算中。
- テスト行列生成プログラムのC++実装・・・Pythonで書いてある奴が,mpmathを使っている関係上,めちゃくちゃ遅いのでMPLAPACKと自分のライブラリで実装し直し。
- 混合精度反復改良法ののベンチマークテスト・・・まだ構想段階。できればArithに投稿したいが間に合うかどうか。
今日はこんなところで。
「万年助手」についての一考察
日本の大学において,専任教員としての職位は次のように決められている。
- 教授・・・いわゆるfull professor
- 准教授
- 講師・・・ないところもある
- 助教
「助手」は助教に繋がるステップとして残してある大学もあるようだが,基本,講義を担当できないのでここでは教員としては考えない。
大学内部のことに詳しくない人でも,一番偉いのが教授で一番下っ端が助教,准教授は教授の一つ下,というぐらいは知っているのが普通である。ただ「講師」というのが「常勤」なのか「非常勤」なのかが分かりづらいのが困ったところで,講師暦12年のワシは区別のためにあえて「常雇です」と説明する必要があったりした。だもんで,助教の次は准教授にステップアップし,准教授に階層を付けるケースもあるようだ。
さて,大学という組織にいる以上は,教員たるもの全員「教授」を目指すべきであるし,そうでないと組織的にも困るんだけど,純粋に一個人の幸せを追求する方々におかれましては,そーゆー「上昇志向」が皆無であるというケースもあるんだなこれが。
今や死語となったが「万年助手」という高貴なご身分がまかり通った時代が昭和にはあったのである。今で言うところの「助教どまり」のことであるが,イマドキの大学なら助手は助教は年限付きのケースが多かろうし,最近はどの職位で入ったとしても問答無用で年限付き(更新あり)だったりするケースも珍しくないので,現代の常識に鑑みて信じがたいことではあるけれど,助手という腰掛が定年まで安泰だった時代があったのである。・・・なんともはや,給料が頭打ちになることを除けば羨ましいご身分なのである。
受け持つ講義は皆無,せいぜい実験や演習の手伝いをすればよく,空き時間は全て自学自習,研究三昧の生活を定年まで送れるとあらば,今でもそれを望む向きが結構な率で存在するのではないか。最下層から上役たる教授に物申しつつ建設的な意見書なんぞメンドクサイ,ふんぞり返ってどんな出世の圧力に対しても馬耳東風,かういふひとにわたしはなりたひ。無理だけど。
一人でコツコツ論文を仕上げては年に1~2本投稿するというペースで仕事ができたらいいな,と夢想する向きは今でも結構いるんじゃないのかなとは思うが,科研費や企業研究費をガツガツ持ってこない限り,やりたい実験も手数も足りないという分野が多い昨今では,こういう牧歌的な態度の教員は時限付きで放り出したい,というリストラ圧力は高かろう。そういう文科行政に対する批判は多いが,さてそれは日本だけなのかなと考えると,一概に否定はできまい。そういうグローバル的に吹き荒れる圧力に左右される役職者(学長,学部長,学科主任等々)から見れば,「万年助手」的教員は,個人的信条としては憧れ的な存在ではあるけれど,組織的,というより上に忖度しなきゃいけない立場からすれば,厄介な「杭」のように思えてしまうのである。
牧歌的な万年助手が,教育的学術的に優れた存在であれば,それはそれでいいし,かつての昭和の万年助手の中にはそーゆー人も,少数ながら存在した。しかし多数はそうではないし,基本「もちっと(学術にしろ内部事務にしろ教育にしろ)仕事してよ」と言いたくなるものであるからして,現在日本から万年助手が消え去るのはやむを得ない。ノスタルジーに浸る前に,教授目指して昇進することの意義をまじめに考えて欲しいなぁと思う,コロナウィルス騒ぎでPCR検査もままならない日本の学術研究の貧相さにため息が出る今日この頃である。
社会システムは「崩壊」しない
役職者から見た大学教員の活動
役職者になったので,ちょいとその立場から,大学教員の仕事がどのようなものなのか,どのように見えているのかを書いておく。あくまで本学,つまり,田舎の小規模な理工系私立大学の話なので,大規模大学や国公立大学とは違っている点も多々あろう。ま,一事例として読んで頂ければ幸いである。
大学教員は基本,学識のある研究者として位置付けられている。最近はそうではないケースもあるようだがここでは扱わない。あくまで学術研究のできる,適宜,まとまった成果を論文等で公表できる能力を持つ人物を専任教員(助教,講師,准教授,教授)として雇うのが基本である。
ただ,これらの教育活動や広報活動の土台は各教員の学術研究活動にある,という大原則が存在していることはしっかり認識しておく必要がある。人によっては書籍を執筆したり,旧来のTVメディアに出演したりすることもあろうが,これらも例外ではない。かくして,上記のような学術研究活動が中心に据えられた図が展開されることになる。もちろん,各教員が築いた独自の学術研究ネットワークが組織を超えて存在している訳だが,ジャンルの異なる一組織の役職者から見えるのはこの図に書いた活動だけである。
どの組織でも年度ごとに業績評価というのは行われている訳だが,その内訳もこの図に書いたものにとどまる。大体,中核の学術研究活動が活発な教員は,教育にしろ広報活動にしろ積極的に行っていただけるので,誠にありがたい存在である。多分,矢印に示すような,各活動によって得られるノウハウ(スタッフの募集や的確な指示,教材開発等)が他の活動に活かせるということも大きいのだろう。かくしてこの活動の図は,それぞれのサービスの受益者から支持されて引っ張られ,どんどん広がっていくわけである。
問題はその逆のケース。個々人の事情があるのは重々承知しているが,何せ大学教員というのは学術研究の徒であると同時に,屁理屈の塊みたいな御仁が多いので,あれこれブツクサ言ってろくすっぽ動いてくれないケースがあるのである。役職者としては働かない教員の分を働いてくれている教員に報いれば済むだけだし,ええ歳こいた教員の人生観に嘴はさむつもりは無いのだけれど,動かないと上記の図の輪がどんどん狭くなって益々活動エリアが狭まるだけなので,なるべく若いうちは面倒臭がらず,あれこれやっておく事をオススメしたい。まぁそのおかげで役職者になっても公開講座を担当させられたりするのは,流石にヤリ過ぎたという気がしないでもないが。
新入生へのあいさつ
もう散々私より偉い人たちのご高説を聞いてきたので,飽きていると思います。私からは簡潔に一つの言葉と,それに対する若干の解説をして早じまいしますので,もう少し我慢して下さい。
皆さんは「耳がいい」という言葉を聞いたことがありますか? 私は落語が好きで,よく東京の寄席や静岡県内の落語会にでかけるのですが,その落語家さんたちが使う符丁(用語)です。「耳がいい」・・・答えを言います。「物まねがうまい」「声色がうまい」という意味で使います。
近頃,「コミュ力」という言葉が良く使われます。「耳がいい」人はコミュ力のある人,つまり,人の話をよく聞ける上に,その内容を別の人にきちんと伝えられる人であることになります。
皆さんには,この学部時代の4年間,いや,就職活動は実質的には3年生後半から始まりますから3年間で「耳のいい」人になって頂きたいと願っています。大学にはいろんな人がいます。同学年の仲間たち,サークルの仲間や先輩たち,研究室の仲間や先輩たち,先生方,職員の方・・・多様な人たちとのやり取りを繰り返して「耳をよく」して頂きたい。これで私のあいさつを終わります。頑張って下さい。
ICTの浸透と拡散に伴うキーパンチャー養成教育の終焉(2/2)
ICT飽和時代におけるプログラミングスキルというのは,Webから組み込みシステムまで,多様化しまくった環境への対応能力を多く含んでいる,ということを認識しなければならんなぁと思っているのである。
ICTの浸透と拡散に伴うキーパンチャー養成教育の終焉(1/2)
しかしこれはプログラマーを養成する教育とは言えない。せいぜいキーパンチャー養成教育というべきものでしかなく,まず使い物にならない「自分はプログラマーだと思い込んでいるキーパンチャーもしくはコピペのスペシャリスト」を送り出しているだけである。
「じゃぁ教育レベルをぐっとあげて,できない学生はどんどん落第させればいい」という意見は,ある意味正しい。しかしこれをやりすぎると,学生の意欲もそぐ結果になりかねず,塩梅が難しいところ。よく聞くのは大体90%以上の単位修得率を確保すればいい,つまりせいぜい1割程度の落第生しか出しちゃいけないよ,というのが私立大学の常識であるようだ。ま,選択科目か必修科目かというこうことによっても「さじ加減の調整」があるようだが,さすがに3割落第となると「ちょっと多すぎないか?」という感覚になる。
ただ,今までの経験上,プログラミング教育に関しては,例えばC/C++言語の場合,変数,ループ,配列,ポインタ,関数,構造体,クラス・・・という一通りの機能を学ぶとすると,全部咀嚼して自家薬篭中のものとして使いこなせる学生が1割程度,まぁ何とかサンプルプログラムを見ながら頭の中でアルゴリズムを考えられて課題はこなせるという学生が2~3割,できる学生にくっついて教えてもらいながら課題はこなせるという学生が3~4割という感じ。合計すると,単位を取らせていいよと思える学生は4~8割というのが正直な実感である。で,ワシ個人としては5割はまぁいいとして,8割は多すぎる,大体6割ぐらいが納得できる範囲で,7割ぐらい合格させておかないと途中放棄者が大量発生しかねないよなぁ・・・という実感を持っている。つまり3割ぐらいは落とさせろ,ということである。
割り切った分,ワシの学生に対する視線はシビアにならざるを得ない。企業の方々にもこの「見積もり」は正直にお話しているし,実際,ICT系の企業で立派に戦力として入社していく学生数の割合も似たり寄ったりである。リーマンショック前は大卒新卒というだけで楽に就職ができていたが,昨今は大学の偏差値や出身高校までチェックされるという話も出てきて,少なくとも「情報系の勉強をしてきました」と口頭で言うだけでは誤魔化しきれない時代になっている。キーパンチャーやコピペのスペシャリストになって「プログラミングができます」と抜け抜けと主張できる図太い人間にだけはならないでほしい,という切なる望みが愚痴とか説教となって噴出してくるワシの講義は,それ故に大変評判悪いのであるw。ま,事実だし。
河野太郎の質問に答える
・アプリが受け持つ社会的要求に対応するためにスパコンを開発する。
となる。
(参考)河野太郎のまとめ と 牧野先生の解答(上記と比較すると面白い)