共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

Bachプログラム失調としての造血幹細胞老化の理解とその治療戦略への展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H04021
体系的課題番号
JP18H04021
配分額
(総額)
44,590,000円
(直接経費)
34,300,000円
(間接経費)
10,290,000円

造血幹細胞の老化過程を解析し、高齢発症の様々な疾患を予防/改善する治療戦略の基盤作りを目的とする。老化に伴う造血幹細胞の表現型変化とBach因子の機能を解明する。その為に、申請者ら独自に作成したBach1/Bach2二重欠損マウス、及び研究協力者から分与済みのKuOマウス (蛍光マウス; Kusabira-Orangeで全身の細胞が標識され、本マウスから分取した造血幹細胞を移植する事で、赤血球や血小板を含めた全てのドナー造血細胞を追跡可能) などを用いた各種解析の準備を進めた。
Bach1とBach2遺伝子の二重変異マウス(B1B2 DKO)の解析を進め、同マウスの骨髄幹細胞は赤血球やリンパ球への分化不全など、骨髄異形成症候群様の異常を示すことを確定した。さらに、骨髄異形成症候群患者検体の解析から、病勢の進行とともに造血幹細胞におけるBACH2の発現が低下することを見いだした。ヒト骨髄異形成症候群の伴う貧血や免疫不全にはBACH2の機能障害が関わることが考えられた。これらをまとめて英文論文として発表した。さらに、幹細胞分化の転写制御ネットワークについて文献考察も含めて総説論文をまとめた。
B1B2 DKOではTリンパ球の異常活性化によると思われるサイトカインストーム様の状態が生じることを見いだした。これも造血幹細胞の異常に寄与することは否定できない。そこで細胞外在性要因の影響を除いて検討していくために、B1B2 DKOマウスとRAG2ノックアウトマウスを交配し、サイトカインストームを来さないマウスを作出した。造血幹細胞自体の変化を長期にわたって追跡する為、KuO蛍光マウスとBach1とBach2遺伝子の二重変異マウス(B1B2 DKO)の交配を進めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H04021
ID情報
  • 課題番号 : 18H04021
  • 体系的課題番号 : JP18H04021