共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

脳間質液流を検出する新しい MR 画像法の開発とヒトのグリンパティック系の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K12767
体系的課題番号
JP19K12767
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,120,000円
(直接経費)
2,400,000円
(間接経費)
720,000円

グリンパティックシステムを構成する要素の一つに、脳間質液の流れがある。これは脳の老廃物を除去する機能を持っていることが指摘されてる。本研究では、拡散 MRI を機械学習の方法で解析することによって、この流れの性質を解明する。この解析には、入力が拡散 MRI データで出力が脳間質液流の性質を表す種々のパラメータであるような人工ニューラルネットワーク(ANN)を使う。この ANN を訓練するために使う教師データをシミュレーションにより作成する:脳間質液流の性質を表す種々のパラメータ等の値を想定してそのパラメータ値に対応する拡散 MRI 信号を信号模型に基づいて作成する。これで作成した信号値と対応する正解パラメータの組を教師データとし ANN を訓練する。
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脳間質液流の性質を表す種々のパラメータの値は未知であるので、その値にいくつかの値を想定して教師データを作って ANN を訓練し、その ANN に実際の脳の拡散 MRI データを入力して、その結果を受けて再度、脳間質液流の性質を表す種々のパラメータの値を調整して ANN を訓練する。ANN がよく訓練されているかどうかの評価には、ANN に実際の脳の拡散 MRI データ入力して得られた結果を再現するような拡散 MRI 信号を見つけてその信号を作るために用いた脳間質液流の性質を表す種々のパラメータ値を真値として ANN からの出力を評価する。
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2021年度の研究により、脳間質液流の速さが想定していた値よりも小さいことが示唆された。この速さを拡散係数に換算した場合、体温の場合の水の自由拡散の拡散係数よりも相当小さいものも含まれる可能性が示唆された。ANN を訓練する際の教師データに脳間質液流の速さが遅い場合を加えて訓練することで、ANN の他のパラメータ推定も改善することが分かった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K12767
ID情報
  • 課題番号 : 19K12767
  • 体系的課題番号 : JP19K12767

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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