赤色燐光有機ELの高効率化に当たり、陽極側、発光層、陰極側と3種類の検討を行った。陽極側構造は高分子系材料であるPVKを中心に異なる4種類の構造によって最適構造を検討し、PVKを正孔輸送層に用いた構造において、10nmまで薄膜化した。また、発光層は発光層内にプローブドーピングを行い再結合領域の解析を行い、発光層内の再結合領域を中央領域付近にもつ領域、Bu-PBD界面付近にもつ領域の2通りの再結合領域があることを見出した。この領域を考慮した光学解析を波動光学理論に基づく光学シミュレーションにより行い、発光層を30nmまで薄膜化し、陰極側膜厚を80nmまで厚膜化した。結果、発光開始電圧3.0V(@1cd/m^2)、電流輝度効率18cd/A(@MAX)、CIE色度座標(0.68、0.32)、外部量子効率20.2%(@MAX)の高効率赤色発光を得た。