論文

2009年4月

農村にて国際結婚をした中国人女性の妊娠・出産時期における家族関係構築プロセス

日本看護研究学会雑誌
  • 蛎崎 奈津子

32
1
開始ページ
59
終了ページ
67
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本看護研究学会

国際結婚した中国人女性の妊娠・出産時の家族関係構築プロセスを明らかにすることを目的に,中国人女性8名に面接し,継続的比較分析を行った。その結果,家族関係構築過程は【直接的なかかわりあいを基盤とする関係構築志向】をコアカテゴリーとする3カテゴリーに分類された。妊娠期には【関係構築に向けた自己の役割模索】を行いながら,中国人女性は家族への溶け込みに努力していた。産後に入り,保温や安静の厳重さにおける慣習の相違と家族に対する期待内容の違いが生じ,家族内の自己の位置づけを実感した(【産後の慣習と家族への期待内容の違いがもたらす自己の位置づけの実感】)。また【直接的なかかわりあいの程度と関係の質的相違】がみられ,家族内でかかわりあいがある場合,中国人女性は自己の考えをとらえ直すことができていた。日本人家族との家族関係構築の初期段階にある妊娠期の看護支援の意義が示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0285-9262
  • 医中誌Web ID : 2009240778

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