共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

中性-電離大気相互作用の直接観測のための発展型イオン密度・ドリフト速度測定器開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H01274
体系的課題番号
JP18H01274
配分額
(総額)
15,210,000円
(直接経費)
11,700,000円
(間接経費)
3,510,000円

平成30年度前期はイオン密度・ドリフト速度測定器の基本構成に関し設計と数値シミュレーションによる検討を行うことで研究を開始した。測定器の構成として、当初の計画通りセンサ部の前段にRPA(Retarding Potential Analyzer)、後段には電流収集用コレクタ電極を配置するものを第1次案として考えた。数値シミュレーションでは、空間に測定器内部の電位分布を表現し、ある速度と温度をもつ分布関数で表されるイオンが外部から測定器に対し入射した場合の各々のコレクタ電極の電流値の計算を行った。
入射角度、ドリフト速度、温度等のパラメータを様々な値に変化させた場合の各コレクタ電極での電流値を計算し、それらの電流値から逆にパラメータの推定が可能かについて検討したところ、コレクタ電極構成の当初案とした16枚の扇形平板では推定精度が十分とは言えない結果を導く可能性があることがわかった。電極構成について様々な形状を検討した結果、電極は平板ではなく半球の内面に設置するほうが有利で、枚数も当初案の16枚から大幅に増やし72枚にするべきであるとの結論を得た。この変更に伴い1枚の電極で得られる電流値の減少が予想されることから、半球の半径は約60 mm程度にすることとした。
平成30年度後期には上に述べた測定器のセンサRPA部の基本設計およびコレクタ電極に関する数値シミュレーションの結果を受けて、センサ部構造を決定し、業者に対して発注、基本部品の調達を行った。また、検討結果をもとに電極に流れる電流の増幅率、速度等のパラメータを推定するために必要なデータ送信レート等を計算して、測定器の電気回路部に要求される仕様を決定した。このようにして導いた仕様を満たす電気回路部を業者に対して発注し、年度内に調達を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H01274
ID情報
  • 課題番号 : 18H01274
  • 体系的課題番号 : JP18H01274