共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

咀嚼運動による舌根部オーラル・フレイル回避効果に関する基礎研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H04391
体系的課題番号
JP17H04391
配分額
(総額)
12,220,000円
(直接経費)
9,400,000円
(間接経費)
2,820,000円

本研究の目的は,咀嚼・嚥下運動時の口腔底・頸部筋群の活動を詳細に評価できるシステムを構築し,さらにこの方法を機能運動が低下した高齢者においても定量評価できるキャリブレーション手法として確立することである。本研究では筋電図計測システムを用いて、咀嚼時,構音時および舌根部挙上運動時の筋電図記録を行っている。
1.構音時の舌機能について
被験音は舌根部の挙上運動を伴う/ka/,/ko/,/ga/,/go/の4音とし,これらの被験音について,サウンドレベルメーターを用いて段階の異なる音量での構音時の舌根部挙上運筋活動を記録した。これまでの計測では声量と舌圧に正の相関があり,さらに一定の声量で相関関係がプラトーに達する傾向が認められている。
2.咀嚼時の舌機能について
グミゼリーを自由に咀嚼した際の舌根部の筋電図測定を行った。その結果,咀嚼時の筋活動には ①咀嚼側と同側の舌根部の筋活動量が大きい ②咀嚼側と反対側の舌根部の筋活動量が大きい ③咀嚼側の変化による舌根部の筋活動への明瞭な影響を認めない という3つの傾向を認めた。また,自由咀嚼時に咀嚼回数が多い咀嚼側を『頻回咀嚼側』と定義し,グミゼリーを片側で咀嚼した際の舌根部の筋活動量についても検討を行ったところ,主咀嚼側での片側咀嚼時に,同側の舌根部の筋活動量が大きくなる傾向にあることが示唆された。咀嚼時の舌運動を考慮すると,咬筋の筋活動に同調してみられる舌根部の筋活動は,食塊の保持に関与していると考えられ,その活動パターンは咬合様式,主咀嚼側,咀嚼位置などによる影響を受けていることが考えられた。また,咀嚼に努力を要するグミゼリーのように硬い食品では,咀嚼能率を向上させるために食塊を歯列に保持することが重要であり,主咀嚼側では舌が効率的に活動している可能性が示唆された。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-17H04391/17H04391seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H04391
ID情報
  • 課題番号 : 17H04391
  • 体系的課題番号 : JP17H04391