2016年4月 - 2021年3月
過疎地域における高齢ひきこもり者の実態把握と地域介入を柱とする包括的支援策の提言
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
今年度も,昨年度と同様に,洋野町・久慈市山形地区・野田村でひきこもり者の家庭訪問を続けた。訪問者の大半は継続的な関与をしている者であったが,新規の対象者も洋野町で3名あった。久慈保健でもひきこもり相談を続け,新規の相談が6件あった。新規・継続ケース合わせて,1年間で,就労実現が6人,医療期間を継続受診するに至った人が4人,進学が2人と変化が見られた。
特に大きな動きがあったのは,洋野町である。地域包括支援センターを退職した保健師がNPO法人を設立し,一段とフットワークが軽くなり,研究者とともに積極的に家庭訪問を展開した。また,その呼びかけに呼応して,民間の農場や町が設置している木工品加工場などが積極的にひきこもり者本人を雇用し,柔軟な労働条件設定を設定し,かつ年配者が親身でていねいな職業指導を行うことで,就労が定着した。支援方法の具体的ノウハウの蓄積が期待できる。
また,拠点としてる北リアス病院デイケアにおいて,元ひきこもりであった利用者の実態調査を行った。大規模デイケア利用者175名中18名が基準に該当する対象となった。ひきこもり開始から初診までの年数は平均9年,精神科主診断では,気分障害圏が9人,統合失調症圏が2人,発達障害圏7人(うちASD5人,軽度MR2人)であった。不登校経験者が12名あった。調査期間中に2名が就労支援などを利用し就労に至った。この結果を,日本精神障害者リハビリテーション学会第26回大会(東京)にてポスター発表した。
地域の啓発活動として,久慈市および洋野町で,それぞれ一般住民を対象とした啓発のための講演を行った。
次年も家庭訪問を中心とする地域介入を継続する。就労に至った事例の検討は特にていねいに行い,可能であれば事例報告の形で研究成果の発表を目指す。関与した事例そのものも60例を超えたため,データ化して分析する作業に着手する。
特に大きな動きがあったのは,洋野町である。地域包括支援センターを退職した保健師がNPO法人を設立し,一段とフットワークが軽くなり,研究者とともに積極的に家庭訪問を展開した。また,その呼びかけに呼応して,民間の農場や町が設置している木工品加工場などが積極的にひきこもり者本人を雇用し,柔軟な労働条件設定を設定し,かつ年配者が親身でていねいな職業指導を行うことで,就労が定着した。支援方法の具体的ノウハウの蓄積が期待できる。
また,拠点としてる北リアス病院デイケアにおいて,元ひきこもりであった利用者の実態調査を行った。大規模デイケア利用者175名中18名が基準に該当する対象となった。ひきこもり開始から初診までの年数は平均9年,精神科主診断では,気分障害圏が9人,統合失調症圏が2人,発達障害圏7人(うちASD5人,軽度MR2人)であった。不登校経験者が12名あった。調査期間中に2名が就労支援などを利用し就労に至った。この結果を,日本精神障害者リハビリテーション学会第26回大会(東京)にてポスター発表した。
地域の啓発活動として,久慈市および洋野町で,それぞれ一般住民を対象とした啓発のための講演を行った。
次年も家庭訪問を中心とする地域介入を継続する。就労に至った事例の検討は特にていねいに行い,可能であれば事例報告の形で研究成果の発表を目指す。関与した事例そのものも60例を超えたため,データ化して分析する作業に着手する。
- ID情報
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- 課題番号 : 16K10258
- 体系的課題番号 : JP16K10258
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
1-
臨床精神病理 40(2) 137-147 2019年9月 査読有り
MISC
2-
感性工学 19(4) 171-174 2021年11月 招待有り
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YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/adv/c 2016年8月
講演・口頭発表等
1-
日本精神神経学会第116回学術総会 2020年9月30日 日本精神神経学会