橋本 統
ハシモト オサム (Osamu Hashimoto)
更新日: 03/03
基本情報
- 所属
- 日本大学 生物資源科学部 獣医学科 教授
- 学位
-
博士(獣医学)(東京大学)
- 研究者番号
- 90317058
- J-GLOBAL ID
- 200901084332497976
- researchmap会員ID
- 1000289104
Transforming growth factor-β(TGF-β)ファミリーに属する細胞の分化・増殖因子であるアクチビンやフォリスタチン、Bone morphogenetic protein (BMP)、Growth differentiation factor (GDF)などの生物学的機能の解明を行ってきました。最近では、肝特異的に発現が認められるアクチビンEのエネルギー代謝における役割を解明することを目的に、遺伝子改変マウスを作製して研究を行っています。以下に概要を説明します。
アクチビンEを肝臓から過剰に分泌するマウスを作製したところ、対照のマウスと比べて血糖値が低く、インスリン感受性が向上しており、体温が高めでエネルギー代謝が亢進していることが分かりました。さらに、このマウスは高脂肪食を与えた場合でも体重増加が抑えられていました。白色脂肪組織を詳しく調べてみたところ、ベージュ脂肪や褐色脂肪のUcp1の量が増加し、ベージュ脂肪細胞自体も増加していたことから、脂肪組織において熱産生が盛んになり、エネルギー代謝が上昇していると考えられました。
一方、アクチビンE遺伝子を欠損させたマウスでは、寒冷刺激に対する反応が鈍く、白色脂肪組織中のベージュ脂肪細胞の減少が原因と考えられる低体温の症状がみられました。さらに、アクチビンEタンパク質を、培養した褐色脂肪細胞に作用させたところ、Ucp1の量が増加したことから、アクチビンEに褐色脂肪細胞の熱産生を直接活性化させる働きがあることを確認しました。
このように、アクチビンEは、肝臓から分泌されるヘパトカインとして働き、褐色脂肪を活性化させ、白色脂肪でベージュ脂肪細胞を増加させることで、余分なエネルギーを熱に変換して消費させる役割があることが明らかになりました。このアクチビンEの効果は、糖尿病をはじめ種々の生活習慣病の原因となる肥満の治療薬につながる可能性があります。
アクチビンEを肝臓から過剰に分泌するマウスを作製したところ、対照のマウスと比べて血糖値が低く、インスリン感受性が向上しており、体温が高めでエネルギー代謝が亢進していることが分かりました。さらに、このマウスは高脂肪食を与えた場合でも体重増加が抑えられていました。白色脂肪組織を詳しく調べてみたところ、ベージュ脂肪や褐色脂肪のUcp1の量が増加し、ベージュ脂肪細胞自体も増加していたことから、脂肪組織において熱産生が盛んになり、エネルギー代謝が上昇していると考えられました。
一方、アクチビンE遺伝子を欠損させたマウスでは、寒冷刺激に対する反応が鈍く、白色脂肪組織中のベージュ脂肪細胞の減少が原因と考えられる低体温の症状がみられました。さらに、アクチビンEタンパク質を、培養した褐色脂肪細胞に作用させたところ、Ucp1の量が増加したことから、アクチビンEに褐色脂肪細胞の熱産生を直接活性化させる働きがあることを確認しました。
このように、アクチビンEは、肝臓から分泌されるヘパトカインとして働き、褐色脂肪を活性化させ、白色脂肪でベージュ脂肪細胞を増加させることで、余分なエネルギーを熱に変換して消費させる役割があることが明らかになりました。このアクチビンEの効果は、糖尿病をはじめ種々の生活習慣病の原因となる肥満の治療薬につながる可能性があります。
経歴
11-
2022年4月 - 現在
-
2022年4月 - 2023年3月
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2018年4月 - 2023年3月
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2020年4月 - 2022年3月
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2013年7月 - 2020年3月
-
2016年4月 - 2017年3月
-
2007年 - 2013年
-
2003年 - 2004年
-
1999年 - 2001年
-
1997年4月 - 1999年3月
-
1997年 - 1999年
学歴
6-
1995年10月 - 1997年3月
-
1993年4月 - 1997年3月
-
- 1997年
-
1994年12月 - 1996年11月
-
1987年4月 - 1993年3月
受賞
1-
2023年7月
主要な論文
70-
The Journal of veterinary medical science 81(5) 646-652 2019年5月11日 査読有り
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Cell reports 25(5) 1193-1203 2018年10月30日 査読有り
-
BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS 478(4) 1746-1750 2016年9月 査読有り
MISC
18-
日本獣医学会学術集会講演要旨集 164th (CD-ROM) 2021年
-
医学のあゆみ 271(11) 1231-1232 2019年12月14日 招待有り筆頭著者
-
日本獣医学会学術集会講演要旨集 162回 336-336 2019年8月
-
日本栄養・食糧学会大会講演要旨集 73回 296-296 2019年4月
-
日本解剖学会 東北・北海道連合支部学術集会 64th 2018年9月
-
日本鉄バイオサイエンス学会学術集会プログラム・抄録集 42nd 38‐39 2018年8月
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日本畜産学会大会講演要旨 123rd 75 2017年9月6日
-
日本畜産学会第122回大会 2017年3月
-
日本栄養・食糧学会近畿支部大会および公開シンポジウム講演抄録集 55th 67 2016年9月14日
-
Proc Jpn Soc Anim Nutr Metab 60 (2): 85-97. 60(2) 85-97 2016年 招待有り
-
REPRODUCTION IN DOMESTIC ANIMALS 47 553-554 2012年8月
-
ACTIVINS AND INHIBINS 85 217-234 2011年 招待有り
-
日本生化学会大会プログラム・講演要旨集 82回 4P-674 2009年9月
-
日本生化学会大会・日本分子生物学会年会合同大会講演要旨集 80回・30回 2T18-5 2007年11月
-
日本獣医学会学術集会講演要旨集 142回 182-182 2006年8月
-
日本獣医学会学術集会講演要旨集 136回 92-92 2003年9月
-
“Inhibin, Activin and Follistatin: Regulatory functions in system and cell biology, A Serono Symposia U.S.A”, (Aono, T.,Sugino, H. and Vale, W. W. eds.) Springer-Verlag, New York. pp. 264-276. 1997年 招待有り
書籍等出版物
3-
文永堂出版 2023年3月27日 (ISBN: 9784830032868)
-
Gakken 2023年1月2日 (ISBN: 4780914671)
-
Inhibin, activin and follistatin : Regulatory functions in system and cell biology 1997年
講演・口頭発表等
1-
第165回日本獣医学会学術集会 2022年9月
担当経験のある科目(授業)
8共同研究・競争的資金等の研究課題
11-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤C 2022年4月 - 2025年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2019年4月 - 2022年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2011年4月 - 2014年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2011年4月 - 2014年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2007年 - 2008年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2003年 - 2005年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽研究 2002年 - 2004年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 2001年 - 2002年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2000年 - 2001年
メディア報道
1-
中日新聞 びわこ版 2022年11月12日 新聞・雑誌
社会貢献活動
1