基本情報

所属
長浜バイオ大学 バイオサイエンス部 アニマルバイオサイエンス学科 教授
学位
博士(獣医学)(東京大学)

J-GLOBAL ID
200901084332497976

Transforming growth factor-β(TGF-β)ファミリーに属する細胞の分化・増殖因子であるアクチビンやフォリスタチン、Bone morphogenetic protein (BMP)、Growth differentiation factor (GDF)などの生物学的機能の解明を行ってきました。最近では、肝特異的に発現が認められるアクチビンEのエネルギー代謝における役割を解明することを目的に、遺伝子改変マウスを作製して研究を行っています。以下に概要を説明します。
アクチビンEを肝臓から過剰に分泌するマウスを作製したところ、対照のマウスと比べて血糖値が低く、インスリン感受性が向上しており、体温が高めでエネルギー代謝が亢進していることが分かりました。さらに、このマウスは高脂肪食を与えた場合でも体重増加が抑えられていました。白色脂肪組織を詳しく調べてみたところ、ベージュ脂肪や褐色脂肪のUcp1の量が増加し、ベージュ脂肪細胞自体も増加していたことから、脂肪組織において熱産生が盛んになり、エネルギー代謝が上昇していると考えられました。
一方、アクチビンE遺伝子を欠損させたマウスでは、寒冷刺激に対する反応が鈍く、白色脂肪組織中のベージュ脂肪細胞の減少が原因と考えられる低体温の症状がみられました。さらに、アクチビンEタンパク質を、培養した褐色脂肪細胞に作用させたところ、Ucp1の量が増加したことから、アクチビンEに褐色脂肪細胞の熱産生を直接活性化させる働きがあることを確認しました。
このように、アクチビンEは、肝臓から分泌されるヘパトカインとして働き、褐色脂肪を活性化させ、白色脂肪でベージュ脂肪細胞を増加させることで、余分なエネルギーを熱に変換して消費させる役割があることが明らかになりました。このアクチビンEの効果は、糖尿病をはじめ種々の生活習慣病の原因となる肥満の治療薬につながる可能性があります。

論文

  58

MISC

  12

書籍等出版物

  1

所属学協会

  3