共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

マイクロバブルと超音波を併用した新規な環境調和型洗浄法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K12230
体系的課題番号
JP20K12230
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

工業製品の洗浄において環境に配慮した洗浄法の開発が望まれており,マイクロバブルが汚水の浄化に用いられてきた.近年,超音波洗浄とマイクロバブル洗浄の欠点を補えるような新しい洗浄技術の一つとして,マイクロバブルと超音波を併用した超音波音場でのマイクロバブルによる洗浄法の有効性の一部が国内外の学会で報告されているが,新規な洗浄法の開発までには至っていない.本研究は,機械部品の洗浄において,マイクロバブルと超音波振動を活用することにより,洗浄水の汚染低減を行う環境調和型の洗浄法を開発し,この併用した場合の洗浄方法のメカニズムを解明することを最終的な目的としている.
初年度には,超音波振動とマイクロバブルを併用した洗浄実験と洗浄水の濁りの測定法の確立を中心に,超音波音圧計を用いて超音波振動が確実に試料まで伝わっているかの検証や周波数変化に伴う超音波振動とマイクロバブルを併用した場合の洗浄効果について検討を精力的に進めてきた.
そこで2年目は,穴や溝のある機械部品や実際の精密機械部品を用いた洗浄実験による検証を行うことにした.初年度までの測定では,使用するステンレス平板の形状については平面試料のみであったが,2年目は機械部品を想定した立体試料についても洗浄速度の測定を行った.具体的には,立体試料の狭隘部が洗浄効果に及ぼす影響を確認し,超音波洗浄,マイクロバブル充満洗浄,超音波を併用したマイクロバブル充満洗浄の比較を行った.その結果,立体試料において超音波を併用したマイクロバブル充満洗浄を行うと洗浄による残留油分量の変化では超音波洗浄より残留油分量が多くなるが,洗浄後の試料表面の観察では全体的に偏りなく洗浄できることが明らかとなった.3年目以降は,実際の精密機械部品を用いた洗浄実験による検証を行うため,さらに洗浄に最適な条件を検討し,その洗浄過程におけるメカニズム解明の一助としたい.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K12230
ID情報
  • 課題番号 : 20K12230
  • 体系的課題番号 : JP20K12230