共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2021年3月

環境配慮型ライフスタイルを促進するコミュニケーションの検討:国際比較実験を用いて

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
16K00749
体系的課題番号
JP16K00749
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

本研究では、環境配慮行動を推進するメッセージの送り手となる効果を、説得納得ゲームを用いて検討する。
説得納得ゲームでは、参加者が説得する側と説得される側の2群に分かれ、説得する側は説得される側の一人に対して、自分が考えて省エネ行動を実施するように説得を試みる。平成30年度に、ドイツ、香港、日本において説得納得ゲームを実施したため、令和元年度にはその分析と、学会報告、論文の執筆を行った。
分散分析の結果、ゲーム実施前よりも実施後の方が省エネ行動意図、深刻性認知、記述的規範、主観的規範、行動統制感がすべての国において高くなっていた。説得納得ゲームに参加したことにより、省エネ行動への行動意図が高まっただけでなく、他者が環境問題へ関心を持っている、という認知が高まったことが示唆された。日本はゲーム前には環境コミュニケーションが最も低く、説得への自信も最も低かった。しかし、ゲーム前後での主観的規範の変化は日本が最も大きかった。またゲーム評価は日本が最も高かった。日本では日常で他者との環境コミュニケーションが少なく、他者は環境問題に関心を持っていないと考える人が多いが、機会が与えられればその認知が変化しうることが示された。
説得納得ゲームを用いた国際比較実験の結果をSimulation & Gamingに英文で投稿し、受理・掲載された。
また、メッセージの効果をシナリオ実験で検討した国際比較実験の結果をアジア社会心理学会で、説得納得ゲームを用いた国際比較実験の結果を国際シミュレーション&ゲーミング学会、日本社会心理学会、グループ・ダイナミクス学会において発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K00749
ID情報
  • 課題番号 : 16K00749
  • 体系的課題番号 : JP16K00749