共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

旧産業景観の形成における長期的な維持管理とパートナーシップ形成の手法に関する検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K06705
配分額
(総額)
1,690,000円
(直接経費)
1,300,000円
(間接経費)
390,000円

本研究は、低未利用となった産業跡地における環境再生および旧産業景観の形成におけるパートナーシップと維持管理について、明らかにすることを目的としている。
2017年度は、最も多い産業跡地を有する英国北西部において森づくりを進める機関であるマージーフォレスト、関連する行政機関担当者、地域団体へのヒアリングと現地調査を実施した。研究計画に挙げていたノースウィッチウッドランズに加え、同様の事例を有するセントへレンズについても比較対象として調査を行った。
これらの2事例は、産業跡地において環境再生が行われ、敷地の一部では保護地区の指定を受けるなど質の高い維持管理が行われ、住民にとっての緑地をつくりだしている点で共通する。岩塩や塩水の産地として知られるノースウィッチウッドランズにおいては産業遺産、炭鉱やガラス工業の町として知られるセントへレンズでは住民との協働によるアートプロジェクトに焦点をあてた取り組みが行われている。これらの2事例の比較検討について、2018年度において学術論文としての公表を行った。
これらの2事例におけるパートナーシップについては、住民や地域団体とともに活動が行われ、緑地におけるイベントの企画実施や維持管理への参加や支援が行われ、新たな文化や価値の創造につながる可能性があることが伺える。これらの事例を含めて、今後においては、公的資金のみでなく民間資金の可能性も検討しつつ、さらに長期にわたる公園緑地の維持管理の方針の検討が課題として挙げられる。
2018年度に、上記2事例のみでなく、英国北西部において環境再生に取り組む関係者にもヒアリングを行っており、旧産業景観の形成のみでなく、関連施策や地域づくりへの影響についても明らかにすることを目標としている。これらの成果の一部については、2018年度に学術論文として公表ずみである。

ID情報
  • 課題番号 : 17K06705