共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

自己組織化を階層的に利用したナノユニット集積型複合光触媒材料の創成

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H03392
体系的課題番号
JP17H03392
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
17,940,000円
(直接経費)
13,800,000円
(間接経費)
4,140,000円
資金種別
競争的資金

本研究課題では、前駆体から分子設計を行い、自己組織化などの手法を活用して無機ナノユニットを形態制御合成し、それらを階層的に組織化して複合化した高性能光触媒の開発を目指している。2年度目である2018年度においては、まず前年度に引き続き、液相プロセスを活用して、無機ナノユニットの形態制御合成について検討を行い、さらにそれらを可視光応答光触媒として期待される酸窒化物に転換する手法の開発を実施した。さらに、電気泳動堆積法を用いて、無機ナノユニットを導電性基材表面に集積する手法についても検討した。
まず、無機ナノユニットの形態制御合成については、前年度のチタン系に加え、新たにニオブやタンタルの水溶性金属錯体等を用いて、それぞれのナノ酸化物の合成を行った。ニオブについては、水溶性ニオブ錯体と水酸化ストロンチウムを前駆体とした水熱合成によって層状ペロブスカイト化合物であるSr2Nb2O7が合成でき、得られた試料がナノロッドの形態を有していることを明らかにした。また同様に水溶性タンタル錯体を用いることで、Sr2Ta2O7を水熱法で合成できることを明らかにした。
次に、これらの層状ペロブスカイト化合物を無機ナノユニットとして、尿素を窒素源に用いて酸窒化物に転換することを試みた。前年度に合成したLa2Ti2O7を用いた場合、水熱合成時に副生するLa(OH)3が共存した状態においてLaTiO2Nへの転換ができることが分かり、詳しく解析したところ、La(OH)3と尿素の反応によって中間体としてLa2O2CN2が生成しており、これが酸窒化物生成の鍵となっていることも明らかにした。Zn-Ga LDHナノ結晶を用いて、同様に尿素でGaN:ZnOへの転換を行ったところ、結晶子のサイズがナノレベルで維持されたGaN:ZnOができることも明らかにした。
さらに、ポリカチオンを用いた電気泳動堆積法で無機ナノ粒子を配列を制御して基板上に集積化できることにも成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H03392
ID情報
  • 課題番号 : 17H03392
  • 体系的課題番号 : JP17H03392