共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

離婚後の円滑な面会交流を促進するための別居親支援と親教育プログラムの効果検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K03392
体系的課題番号
JP20K03392
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

2021年度は4年間の研究計画の2年目にあたる。今年度は昨年度に行った同居親を対象としたインタビュー調査の結果を分析し,学会発表を行った。調査対象となる同居親は,離婚直後は面会交流に対して否定的な気持ちを持っていたが現在は肯定的な気持ちに変化している人に限定した。それにより,同居親の面会交流に対する思いが変化するプロセスと面会交流に対する気持ちが肯定的に変化する要因を明らかにした。当初は義務感からであっても面会交流を行い続けることによって,子どもが別居親との交流を喜ぶ様子を目の当たりにし,同居親にとっても自分の時間ができるなどのメリットがあることを実感し,面会交流に関するやり取りを通して元配偶者を見直し,元夫婦間の葛藤が低下するという変化のプロセスが示された。逆に,高葛藤を理由として面会交流を制限すれば,前述のように面会交流を通じて元夫婦の葛藤が低下する機会を奪うおそれがある。当事者だけで面会交流を行うことができないような高葛藤な元夫婦こそ,司法や行政や第三者機関が積極的に関与するなどして面会交流を実施し,面会交流を通じて元夫婦間の葛藤を低下させる機会を提供することが重要だということが示唆された。2022年度は別居親を対象としたインタビュー調査を実施し,子どもに会いたくても会えない,あるいはより高頻度で会いたいがそうすることができない別居親を対象にインタビュー調査を行う予定である。それによって,別居親が感じている苦悩の質と別居親が望むような面会交流が実現できない要因を明らかにし,別居親に対して必要な支援と子どもにとって望ましい面会交流を実現するための方策を探る。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K03392
ID情報
  • 課題番号 : 20K03392
  • 体系的課題番号 : JP20K03392

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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