2018年4月 - 2021年3月
固定化モデル細胞膜を用いるバイオアッセイセンサ
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
モデル細胞膜として,DPPC/DOPC系(炭化水素鎖の不飽和度の制御)およびDMPC/DMPE系(極性基のサイズと電荷の制御)二種類のリポソームを調製し,それぞれ蛍光プローブを用いた膜流動性,表面疎水性の評価および単分子層の圧縮特性から脂質膜のミクロ構造の推測を行った。いずれのモデル細胞膜においても膜流動性と表面疎水性との間に相関が見られたが,DPPC/DOPC系とDMPC/DMPE系では両者の依存性に違いが見られた他,DMPC/DMPE系では膜内での成分脂質の偏りが示唆された。
上記の脂質を用いて,蛍光物質であるカルセインを封入したリポソームを調整し,モデル細胞膜と農薬(7種)との相互作用の大きさを,リポソームからのカルセインの放出速度で評価した。1次の速度式に基づき指数関数によるフィッティングから放出速度定数および最大放出量を算出した。DPPC/DOPC系では放出速度定数および最大放出量ともに膜の組成および農薬の種類によって大きく変化したが,いずれのモデル細胞膜においても農薬の毒性(半致死濃度,LC50)との単純な相関は見られなかった。DMPC/DMPE系においてはカルセインの初期保持容量が極めて小さく,カルセインの放出を観測できなかった。
これらと並行して,脂質二分子膜の相転移と二分子膜中における脂質分子間距離および脂質分子の運動性との関連を明らかにするためにDPPC/DOPC系において温度並びに圧力の影響を調査した。
一方,リポソーム様のモデル細胞膜を金属表面に固定化するためのコラーゲンモデルペプチドについては,基本となる3残基×7ユニット(21残基)のモデルペプチドの大量合成および金属結合能の付与に成功している。
上記の脂質を用いて,蛍光物質であるカルセインを封入したリポソームを調整し,モデル細胞膜と農薬(7種)との相互作用の大きさを,リポソームからのカルセインの放出速度で評価した。1次の速度式に基づき指数関数によるフィッティングから放出速度定数および最大放出量を算出した。DPPC/DOPC系では放出速度定数および最大放出量ともに膜の組成および農薬の種類によって大きく変化したが,いずれのモデル細胞膜においても農薬の毒性(半致死濃度,LC50)との単純な相関は見られなかった。DMPC/DMPE系においてはカルセインの初期保持容量が極めて小さく,カルセインの放出を観測できなかった。
これらと並行して,脂質二分子膜の相転移と二分子膜中における脂質分子間距離および脂質分子の運動性との関連を明らかにするためにDPPC/DOPC系において温度並びに圧力の影響を調査した。
一方,リポソーム様のモデル細胞膜を金属表面に固定化するためのコラーゲンモデルペプチドについては,基本となる3残基×7ユニット(21残基)のモデルペプチドの大量合成および金属結合能の付与に成功している。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K11685
- 体系的課題番号 : JP18K11685
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
JCIS Open 10 100082 2023年7月 査読有り筆頭著者責任著者
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Journal of bioscience and bioengineering 133(2) 168-173 2022年2月 査読有り
講演・口頭発表等
2-
13th International congress on Membrane and Membrane Processes (ICOM2023) 2023年7月10日
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第22回化学工学会学生発表会(岡山大会) 2020年3月7日