三浦 清美

J-GLOBALへ         更新日: 18/12/05 05:27
 
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研究者氏名
三浦 清美
 
ミウラ キヨハル
eメール
miurabunka.uec.ac.jp
所属
電気通信大学
部署
情報理工学域共通教育部
職名
教授
学位
博士(文学)(東京大学)
科研費研究者番号
20272750

プロフィール

中世ロシア文学の研究を行うことを決めたのは、大学院修士課程進学時であった。一番初めに取り組んだ研究は、12世紀キエフ時代にテキストが成立した『キエフ・ペチェルスキイ修道院聖者列伝』であり、当作品の説話構造とそれを成立させた文体を中心に修士論文から博士課程の業績はこのテーマによるものであった。
その後、博士課程在学中1992年9月から1993年12月まで、中世ロシア文学研究の中心地ロシア共和国サンクト・ペテルブルグ市に留学したことが研究上の大きな転機となった。サンクト・ペテルブルグはテキスト学研究の中心地である。テキスト学とは、あるテキスト(作品)につき、種々の写本に収められた様々なヴァリエーションを厚め、それらの異同に一字一句厳密な検討を加えてあらゆる情報を総合し、ヴァリエーション相互の影響関係を確定した上で信頼に足る刊行テキストを作成する仕事であり、研究者の総合的な実力が最も問われる研究ジャンルである。筆者がテキスト学的な研究対象として選んだのは、『聖グレゴリウス講話』であった。この講話はビザンツ教父神学者グレゴリオスの原典に遡るが、テキストの大部分が中世ロシアでの挿入からなる。異教的風習を論難しつつその儀礼を百科辞典的に詳細に記述して「研究」した東スラヴ版『聖グレゴリオス講話』の成立過程は、キリスト教と異教が接触、交流、同化してゆくプロセスでもあった。この研究テーマは、科学研究費奨励研究(A)のテーマ、1996年度「『聖グレゴリオス講話』伝承の歴史をめぐるテキスト学的考察」に引き継がれ、『聖グレゴリオス講話』伝承史が明らかになった。
概して筆者は、スラヴの異教的伝統と普遍性をもつキリスト教の融合のプロセスに特別の関心を抱いて研究を行ってきた。1997-1998年度「民族の記憶としてのモスクワ公国揺籃期研究」では教会と国家との関係において、1999-2000年度「中世ロシア精神史の羅針盤としてのプスコフ文化研究」では、当時のロシア全体がその縮図として先鋭的にあらわれたプスコフの文化を包括的に扱うことによって、異文化融合のプロセスを考察した。この研究成果は、その後、『ロシアの源流』(講談社叢書メチエ、2003年)となって高い評価を得た。
大学院時代の研究は、文体研究(ことに『キエフ・ペチェルスキイ修道院聖者列伝』)を通じてキリスト教文学における異教的伝統を主なる関心事としていたが、当時大学院学生であった筆者は研究経験が浅かったため、本研究テーマの十分な意識化が出来なかった。その後、上記の研究をおこなって、写本を含む一次資料の学問的取り扱いに習熟し、中世ロシアの歴史全般への見通しを獲得したのちに、ふたたび文体研究にもどり、若手研究(B)2002-2004年度「中世ロシア教会文学における異教起源口承モチーフの研究(異文化融合過程の考察)」では、本来キリスト教文化と異教文化の緊張的対立性が集約的に現れるはずの聖者伝文学に属する『キエフ・ペチェルスキイ修道院聖者列伝』の物語のいくつかがロシア・フォークロアに典型的な魔法昔話の構造をとっていることを明らかにした。概して、筆者は、公式的な文化(ロシア国家とロシア正教)と非公式的な文化(異教的民衆文化)のあいだで生じた緊張、対立、葛藤、無関心を装った許容、

研究分野

 
 

経歴

 
2007年4月
 - 
2013年3月
電気通信大学 情報理工学部 准教授
 
2014年4月
   
 
電気通信大学 情報理工学部 教授
 

学歴

 
1984年4月
 - 
1987年3月
早稲田高等学校  
 
 
 - 
1988年3月
東京大学 文学部 ロシア語ロシア文学科
 
 
 - 
1990年3月
東京大学 人文科学研究科 ロシア文学
 
 
 - 
1993年3月
東京大学 人文科学研究科 ロシア文学
 

論文

 
中世ロシア文学図書館(XIII)プスコフの歴史と文学④ 
三浦清美
エクフラシス - ヨーロッパ文化研究   8 82-107   2018年3月
中世ロシア文学図書館(XII)中世ロシアの説教③ トゥーロフのキリルの説教
三浦清美
電気通信大学紀要   29(1) 1-26   2018年2月   [査読有り]
書評 Ужанков А.Н. «Слово о полку Игореве» и его эпоха. М.:«НИЦ» Академика, 2015, 512С.
三浦清美
ロシア語ロシア文学研究   49 150-170   2017年10月   [査読有り][招待有り]
歴史を映す鏡としての『ステファニトとイフニラト』-歴史と文学のあいだ
三浦 清美
日本18世紀ロシア研究会年報   14 3-15   2017年8月   [招待有り]
プスコフ洞窟修道院についての物語 – 翻訳と注釈 プスコフの歴史と文学③ 中世ロシア文学図書館(IX)
三浦清美
古代ロシア研究   57-94   2017年8月   [査読有り][招待有り]

Misc

 
書評 豊川浩一『18世紀ロシアの「探検」と変容する空間認識ーキリーロフのオレンブルグ遠征とヤーロフ事件』
三浦清美
『日本18世紀ロシア研究会年報』   15 38-41   2018年5月   [依頼有り]
Ужанков.А.Н. "Слово о полку Игореве" и его эпоха. М.:"НИЦ" Академика, 2015. С.512.
三浦清美
ロシア語ロシア文学研究   49 149-168   2017年10月   [査読有り][依頼有り]
Ужанков А.Н. "Слово о полку Игореве" и его эпоха. М.:"НИЦ" Академика, 2015. С.512.
三浦清美
ロシア語ロシア文学研究   49 149-168   2017年10月
「満州・内モンゴル」調査旅行記 はじめての中国
Север セーヴェル   33 199-203   2017年3月
栗生沢猛夫『『ロシア原初年代記』を読む-キエフ・ルーシとヨーロッパ、あるいは「ロシアとヨーロッパ」についての覚書』
三浦清美
法制史研究   66 368-374   2017年3月   [査読有り][依頼有り]

書籍等出版物

 
ウクライナを知るための65章
三浦清美 (担当:共著, 範囲:第22章 キエフ・ルーシとビザンツ帝国)
明石書店   2018年10月   
『ロシアの歳時記』
三浦清美 (担当:共著, 範囲:「イワン・クパーラ」)
東洋書店新社   2018年5月   
『ロシアの歳時記』
三浦清美 (担当:共著, 範囲:「聖霊降臨祭」)
東洋書店新社   2018年5月   
悪の歴史 西洋編(下)イワン雷帝
三浦清美 (担当:共著, 範囲:イワン雷帝)
清水書院   2018年3月   
宗教説話に滲出する自叙-ポリカルプと逸脱の精神
三浦清美 (担当:共著)
水声社   2018年2月   

講演・口頭発表等

 
中世ロシアにおける権力と宗教 - アンドレイ・ボゴリュプスキイVS.トゥーロフのキリル
三浦清美
中世ロシア文献講読会   2017年7月2日   
宗教説話に滲出する自叙:破戒僧ポリカルプと女性たち
2017年6月11日   科研研究会「近代ロシア文化の「自叙」の研究:自伝的散文と回想を中心に」
Симеон Юродивый и Андрей Юродивый изЦарьграда и Исакий из Киевопечерского монастыря - Попытка сравнительного исследования византийского и древнерусского юродств
三浦 清美
日本ロシア文学会第66回大会   2016年10月21日   日本ロシア文学会
Как читать "Слово о воскресении Лазаря?" - К вопросу о древнерусском мифотворчестве и религиозном воображении в мире славянских апокрифов
Kiyoharu MIURA
Thesis of Workshop: New Approaches to Medieval Slavic texts   2016年3月15日   北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター
中世ロシアの想像力 - 『十字架の木についての講話』をめぐって [招待有り]
三浦 清美
日本ロシア文学会第65回全国大会   2015年11月8日   日本ロシア文学会

担当経験のある科目

 

競争的資金等の研究課題

 
中近世ヨーロッパにおける「正しい認識力」観念の変遷
研究期間: 2017年 - 2020年
ロシアおよび在外古儀式派教徒の歴史・民族誌的研究
研究期間: 2016年 - 2018年
近代ロシア文化の「自叙」の研究:自伝的散文と回想を中心に
研究期間: 2016年4月 - 2017年3月    代表者: 中村 唯史
ロシア文化学の構築 - 国際共同研究に基づく創出的アプローチ
研究期間: 2014年4月 - 2017年3月
中近世キリスト教世界の多元性とグローバル・ヒストリーへの視角
研究期間: 2013年