2003年
老親介護に関する態度に影響する要因の研究 : 付・日韓比較
テオロギア・ディアコニア
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- 巻
- 36
- 号
- 開始ページ
- 69
- 終了ページ
- 85
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- ルーテル学院大学
本論文では,寝たきりの老親介護に関する態度の日韓比較と,その態度に影響を及ぼす要因の検討を行った。その結果,大要下記のようなことが明らかになった。(1)日韓の比較では,韓国の回答者の方が,寝たきりの老親の介護について子供の責任をより重視する傾向が見られた。(2)日本のサンプルでは,他の変数の影響をコントロールした場合,以下のような人の方が,社会の責任をより重視する傾向が見られた。すなわち,性別では女性の場合,被介護者との続柄では配偶者の場合,回答者の年齢では50歳以下の人の場合,被介護者の痴呆の程度では中度・重度の場合,世帯主の職業では自由業,専門技術職の場合,に社会の責任をより重視する傾向が見られる。(3)韓国のサンプルでは,他の変数の影響をコントロールした場合,統計的に有意の影響力を示すのは,回答者の続柄のみで,配偶者と娘が社会の責任をより重要視する傾向があった。(4)韓国のサンプルでは,日本のサンプルと異なり,回答者の年齢,世帯主の職業,回答者の主観的生活程度,などの社会的な基本属性変数が有意の影響を及ぼしていないことが注目される。韓国の場合,老親介護に関する態度は,過去数十年間の急激な社会経済的変化にもかかわらず,まだ社会階層,あるいは異グループ間の差を生み出すに至っていないといえるのではあるまいか。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0286-3596
- CiNii Articles ID : 110000192362
- CiNii Books ID : AN00150248