共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

出口を見据えた不眠医療の確立をめざすSDMの臨床実装と普及にむけた検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K10792
体系的課題番号
JP20K10792
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究の目的は、睡眠薬を使用中の人向けに、生活改善の具体策、長期に睡眠薬を使用する利点・欠点、心理社会療法の利点・欠点を示した shared decision making (共同意思決定, SDM)の補助ツールであるデシジョンエイドを開発し、睡眠薬を使用中の人と医療者が、そのツールを使いながら、一緒に今後の治療を決める SDMの手法の効果(社会問題となっている長期・高容量の睡眠薬の使用を改善させうるか)を外来診療において、検証することである。
初年度の令和2年度は、デシジョンエイドの試案を作成し、ステークホルダー(当事者・医療者)を対象に、その試案の使用感調査(読みやすさや内容の理解しやすさを評価)を実施した。結果は、当事者および医療者ともに、概ね良好な評価が得られた。自由記載欄へのコメント内容をもとに試案の修正をはかった。このプロセスを通じ、ステークホルダーの声を反映させたツールを開発することができた。
続いて令和3年度は、まず、令和2年度に開発した上記のデシジョンエイドについて、その開発プロセスおよび当事者・医療従事者の使用感調査の結果を国際学術誌に発表した。さらに、不眠症当事者の睡眠薬治療に関する認識および睡眠薬治療の継続・中止の意思決定法の実態を把握するべく、睡眠薬治療の経験のある当事者を対象に、オンライン調査を実施した。結果より、当事者は、不眠症治療において共同意思決定を希望していること、そして症状改善後は早期に睡眠薬を減薬することを望んでいる一方で、具体的な減薬法に関する適切な知識を十分には持ち合わせていないことが示唆された。これを受け、令和2年度に開発した上記のデシジョンエイドを活用しながら減薬に関する適切な情報を本人と共有し、本人の意向を踏まえた意思決定を行っていくことが求められていると考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K10792
ID情報
  • 課題番号 : 20K10792
  • 体系的課題番号 : JP20K10792

この研究課題の成果一覧

論文

  1

講演・口頭発表等

  4