共同研究・競争的資金等の研究課題

2007年 - 2009年

血液細胞間クロストークに着目した長期透析合併症の予防法の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
19790075
体系的課題番号
JP19790075
配分額
(総額)
3,830,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
630,000円

血液透析の際には,人工物である透析膜と血液成分の接触により活性化される白血球が産生する活性酸素が透析アミロイドーシスや動脈硬化などの長期透析合併症を引き起こすと考えられている.本研究では血液細胞間の相互作用に着目してこのメカニズムを解析した.その結果,透析膜と血小板の接触により血小板表面に接着分子P-セレクチンの発現が誘導され,白血球表面のリガンド分子(PSGL-1)を介して血小板と好中球の複合体が形成され,これにより好中球からの活性酸素産生が誘導されることを明らかにした.また透析膜と血漿の接触により補体が活性化し,これに伴って生じるC5aが好中球表面のPSGL-1の集積を引き起こして血小板と好中球の複合体形成と活性酸素産生を増強することを示した.さらにこの血小板-好中球相互作用を妨害する薬物としてα-トコフェロールとグリチルリチンを見出し,両薬物が血液透析に伴う白血球の活性化を抑制しうることを示した.

リンク情報
Kaken Url
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-19790075/19790075seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19790075
ID情報
  • 課題番号 : 19790075
  • 体系的課題番号 : JP19790075