講演・口頭発表等

2018年6月9日

異文化での定住に向けて:その実態と関与因 EPA看護師候補者として来日したインドネシア人の場合

異文化での定住に向けて:その実態と関与因 ‐EPA看護師候補者として来日したインドネシア人の場合
  • 箕浦康子
  • ,
  • 浅井亜紀子

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)
主催者
日本社会心理学会第58回 年次大会
開催地
新潟大学

EPA一陣の入国から10年、母国か日本か居住先に選択肢のある人にとって、日本で定住しうる要件は、異文化適応というよりも、生活の質を捉える指標とされる主観的ウェルビーイング(Subjective well-being, 以降SWB)の方が有効と思われる。合格者の職場や家庭生活などのさまざまな文脈でのSWBを時間軸に沿って検討することで、日本定住化への道筋を探った。インドネシア人看護師に日本に住むことを選択させるマクロ要因は、①日イの経済・社会インフラの格差(母国に比して数倍の給与、安全で便利で暮らしやすい生活環境)、②看護師の地位や医療の水準の日イ差、③在日インドネシア人(留学生・技能実習生など)の増加によるインドネシア語コミュニティの形成(コーラン勉強会、友人・配偶者との出会い、食材調達の容易さ)、④インドネシアよりも日本の方が一人で余暇を楽しく過ごせる場所や機会が多い、⑤インドネシア社会の規範拘束力が、日本では弱い。