共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年 - 2005年

連歌史の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
03J04449
体系的課題番号
JP03J04449
配分額
(総額)
2,200,000円
(直接経費)
2,200,000円

(1)句解の分岐点
連歌の付合は、前句と付句との関係を言外に補って解釈するため、様々な解釈が可能となり、作者の作意とは別の解釈を行う自由さえ保証されていた。事実、『聖廟法楽千句』の古注の第一種注と第二種注は、内容の上で対照的で、前者は、前句を言葉に表現された通りに素直に受け取り、平明な叙景句として解釈する傾向があり、後者は、取りなしや主体の転換といった、前句の内容が付句によって大きく変わるような読み方を好み、前句の言葉の細かなところまで、付句の読みに反映させようとする。この相違は、『竹林抄』古注に見られる、宗祇と兼載の解釈の方法の違いに対応している。第二種注の理詰めに陥りがちな解は、『竹林抄』によく見られるもので、兼載もそれを発展的に受け継いでいる。一方宗祇は、旧来の地下連歌の機知的な趣向の作意を退け、努めて平明な叙景叙情で解釈しようとする新しい読みを打ち出していた。『聖廟法楽千句』『竹林抄』の古注には、そのような対立の構図が反映されているのである。
(2)京都女子大学図書館所蔵連歌関係資料 翻刻と解題 I
京都女子大学に蔵される『連歌教訓歌』『連歌百韻巻物素眼法師書』について翻刻と解説を行った。前者は、古典文庫『宗長作品集 連歌学書編』に収録される「長歌・俳譜」の一本であり、後者は、二条良基と救済が出座する連歌百韻である。
(3)京都大学蔵実隆自筆 和漢聯句訳注
解説「和漢聯句略史」と、三条西実隆と公条父子による、永正七年の両吟和漢聯句百韻のうち、第1句から第20句までの和句の注釈を執筆した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-03J04449
ID情報
  • 課題番号 : 03J04449
  • 体系的課題番号 : JP03J04449