論文

査読有り
2006年10月

野菜類およびチャにおける導管液の分子量組成からみた土壌タンパク質様窒素吸収の可能性

日本土壌肥料學雜誌
  • 三浦 伸之
  • ,
  • 阿江 教治
  • ,
  • 内村 浩二
  • ,
  • 松本 真悟

77
5
開始ページ
549
終了ページ
554
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.20710/dojo.77.5_549
出版者・発行元
一般社団法人日本土壌肥料学会

有機物施用土壌あるいは無機栄養培地における導管液のHPSEC分析により,チャおよび6種の野菜類(キュウリ,チンゲンサイ,リーフレタス,ブロッコリー,ホウレンソウ,トウモロコシ)の土壌タンパク質様窒素の直接吸収の可能性を検討した.6種の野菜類の導管液中の無機態窒素は有機物施用土壌より無機栄養培地が明らかに多かった.このことは,有機物施用土壌では,無機栄養培地に比べて,無機態窒素の吸収が少なかったと考えられた.導管液のHPSEC分析により,6種の野菜類とチャの有機物区で土壌の水および塩化カリウム液抽出のタンパク質様窒素に非常に近い保持時間のピーク(推定分子量4,000〜5,000)が検出され,すべての野菜類およびチャ'さえみどり'のピークは,無機栄養培地より有機物施用土壌で高かつた.さらに,一般の肥培管理が行われている'やぶきた'と'ゆたかみどり'の茶園で採取した導管液でもこれと同様のHPSECピークが確認された.これらの結果から,いくつかの野菜類で土壌中の無機態窒素だけでなく,タンパク質様窒素を直接吸収する可能性があり,チャもその可能性があると考えられた.

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DOI
https://doi.org/10.20710/dojo.77.5_549
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006280101
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00195767
ID情報
  • DOI : 10.20710/dojo.77.5_549
  • ISSN : 0029-0610
  • CiNii Articles ID : 110006280101
  • CiNii Books ID : AN00195767
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000005826164

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