1998年
下血にて発症した内腸骨動脈瘤の2例.
日本臨床外科学会雑誌
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- 巻
- 59
- 号
- 7
- 開始ページ
- 1913
- 終了ページ
- 1919
- DOI
- 10.3919/jjsa.59.1913
- 出版者・発行元
- Japan Surgical Association
下血にて発症した内腸骨動脈瘤-腸管瘻の2例を経験したので報告する.症例1は79歳男性,下血を主訴に来院.骨盤部CTで直径8cmの孤立性の右内腸骨動脈瘤と,不整ガス像を伴う瘤内の壁内血栓を認めた.動脈瘤の腸管内穿破と診断し手術を行ったが瘤-腸管間の痩孔の閉鎖は癒着が高度なため不可能であった.よって瘻孔は放置し,内腸骨動脈結紮,瘤壁切除,瘤内ドレナージのみを行った.術後は感染徴候をみることもなく順調であった.症例2はS状結腸癌で1年前に腸切の既往がある72歳男性.同手術時すでに左内腸骨動脈に直径3cmの動脈瘤を認めたが放置されていた.今回,下血にて来院. CTで先の動脈瘤は4.5cmに拡張し壁内血栓部に多数の点状ガス像を認めた.消化管との瘻孔形成を疑い精査予定にしていたところ突然の大量下血を生じ手術することなく失血死された.状況より,動脈瘤の腸管内穿破と推測された.腸骨動脈瘤-腸管瘻の本邦報告例は現在までに14例をかぞえるのみである.
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- DOI : 10.3919/jjsa.59.1913
- ISSN : 1345-2843
- CiNii Articles ID : 130003600994