1996年
先天性胆道拡張症の母子発生例.
日本臨床外科医学会雑誌
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- 巻
- 57
- 号
- 9
- 開始ページ
- 2254
- 終了ページ
- 2258
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3919/ringe1963.57.2254
- 出版者・発行元
- Japan Surgical Association
先天性胆道拡張症(以下,本症)の家族内発生は稀である.最近われわれは本症の母子発生例を経験したので報告する.症例1: 48歳女性, (昭和57年当時),症例2の母親. 33歳時,本症の診断にて嚢胞・十二指腸吻合術を受けているが根治術を目的として入院,型のごとく嚢胞切除,総肝管空腸吻合術を行った.症例2: 34歳女性,症例1の長女.腹痛を主訴に来院,精査の結果Ic (p) IIfmの本症と診断,嚢胞切除,総肝管空腸吻合術を施行した.両症例とも嚢胞壁に悪性所見は認めなかった. <br> 本邦における本症の家族内発生例は16例8家系をかぞえるにすぎず,その発生頻度より遺伝傾向は極めて薄いものと推測される.一方,一卵性双生児での本症発生例は7例みられ,うち6例はその1方児にのみに発症していた.この点からも遺伝性に関しては否定的であった.しかしその遺伝性を結論づけるには報告例数があまりに乏しく現時点では更なる症例数の集積に努力が払われるべきである.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3919/ringe1963.57.2254
- ISSN : 0386-9776
- CiNii Articles ID : 10008524282
- CiNii Books ID : AN00198696