2021年7月 - 2023年3月
家畜伝染病の蔓延と防疫に関する政策評価モデルの構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
フィリピンにおける養鶏業で発生した鳥インフルエンザの影響を分析するために、静学的な応用一般均衡(computable general equilibrium, CGE)モデルを構築した。分析対象となっている問題が農業・食品産業を中心としたものであり、また、鳥インフルエンザのように短期的に拡大して収束するショックの影響を捉えるために、通常のCGEモデルを拡張することとした。供給側では、鳥インフルエンザが発生した際に行われる防疫処理を考えて、それによって殺処分されたり出荷が差し止められたりして、生産性が低下する状況をシミュレートするものとした。その際に養鶏業に発生した供給ショックが当該産業の利潤に対してインパクトを与えるように供給量を固定するモデルを構築した。需要側では、鶏肉・卵と、牛肉やそのほかの農産物、食品との間の代替の弾力性を特別に考えたり、消費者が鶏肉・卵の消費を忌避して、牛肉に需要をシフトさせる効果を効用関数の中に取り込んだりした。基本モデルを構築し、当時確認された鶏肉価格の下落を再現するような、生産性の低下幅と、消費者の忌避行動の程度の組み合わせを探索した。その数値計算の結果をまとめて、政策分析を行えるようにした。また、仮定するパラメータ(とくに代替の弾力性)の違いで数値計算の結果が質的、量的に異なる可能性がある。この点を考慮して、感応度分析も行った。また、農業一般にこの種の生産性変動は発生しうる。そこで、基礎的な研究として、農家の生産性が技術指導等によってどのような影響を受けるのかをミクロデータを用いて吟味した。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K18424
- 体系的課題番号 : JP21K18424
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
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68th Annual Conference of The Australasian Agricultural & Resource Economics Society 2024年2月7日
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2022年度 第36回 応用地域学会 研究発表大会 2022年12月18日