2021年7月 - 2024年3月
脳科学・認知科学による人間に近いモデルに基づく日本語話し言葉解析器の構築と検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓) 挑戦的研究(開拓)
- 課題番号
- 21K18115
- 体系的課題番号
- JP21K18115
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 25,870,000円
- (直接経費)
- 19,900,000円
- (間接経費)
- 5,970,000円
本研究の目標は、話し言葉に着目し、脳科学の知見を導入したより人間に近い言語処理モデルを構築、話し言葉解析器を実装することである。
言語野には「文法・読解・音韻・単語」から成る4つの言語中枢が同定されている。また、分担者(酒井)らの研究で文法関連ネットワークは少なくとも3つあることが明らかとなっている。機能的MRI(fMRI)などによる脳機能計測と機能結合(functional connectivity)の解析により、これら3つの脳内ネットワークがどのように融合されているかを明らかにする。fMRI実験の課題は、分担者(福井)を中心に、理論言語学の知見に基づきデザインする。脳の言語情報処理では、書き言葉の視覚入力は話し言葉の聴覚入力と明確に分離しているが、文法処理と意味処理においては両者が完全に重なると予想されるため、入力情報を統合した言語中枢の動作原理を明らかにできる。分担者(酒井・福井)の共同研究により文法中枢の動作原理が既に示されているので、残る意味処理の部分を明らかにする。最新の深層学習モデルの知見を取り入れつつ、これら動作原理に基づく新たな言語処理モデルを構築する。
本年度は採択以降数か月の初年度期間であったが、そのための第一歩として、自然言語処理・脳科学・理論言語学の三者の視点から情報交換と議論を行い、特に自然言語処理分野でベンチマークに利用されている既存のアノテーション付きコーパスについて、また近年性能向上が報告されている文解析・文生成の深層学習モデルについて検討を行い、三者の接点としてフォーカスし機能的MRIによる実験の対象とすべき言語現象を絞り込んだ。また、自然言語処理側からのアプローチとして、いくつかの深層学習モデルにおける構文解析時のスタックメモリ利用について検証実験を行った。
言語野には「文法・読解・音韻・単語」から成る4つの言語中枢が同定されている。また、分担者(酒井)らの研究で文法関連ネットワークは少なくとも3つあることが明らかとなっている。機能的MRI(fMRI)などによる脳機能計測と機能結合(functional connectivity)の解析により、これら3つの脳内ネットワークがどのように融合されているかを明らかにする。fMRI実験の課題は、分担者(福井)を中心に、理論言語学の知見に基づきデザインする。脳の言語情報処理では、書き言葉の視覚入力は話し言葉の聴覚入力と明確に分離しているが、文法処理と意味処理においては両者が完全に重なると予想されるため、入力情報を統合した言語中枢の動作原理を明らかにできる。分担者(酒井・福井)の共同研究により文法中枢の動作原理が既に示されているので、残る意味処理の部分を明らかにする。最新の深層学習モデルの知見を取り入れつつ、これら動作原理に基づく新たな言語処理モデルを構築する。
本年度は採択以降数か月の初年度期間であったが、そのための第一歩として、自然言語処理・脳科学・理論言語学の三者の視点から情報交換と議論を行い、特に自然言語処理分野でベンチマークに利用されている既存のアノテーション付きコーパスについて、また近年性能向上が報告されている文解析・文生成の深層学習モデルについて検討を行い、三者の接点としてフォーカスし機能的MRIによる実験の対象とすべき言語現象を絞り込んだ。また、自然言語処理側からのアプローチとして、いくつかの深層学習モデルにおける構文解析時のスタックメモリ利用について検証実験を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K18115
- 体系的課題番号 : JP21K18115
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
Frontiers in Psychology 14 1-17 2023年7月19日 査読有り
-
言語研究 161 1-33 2022年3月 査読有り招待有り筆頭著者
書籍等出版物
2-
中央公論新社 2022年1月 (ISBN: 9784121101259)
-
Routledge 2022年1月
講演・口頭発表等
1-
日本言語学会第163回大会 2021年11月21日 招待有り