2017年4月 - 2020年3月
キラル磁性の物理と応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
本研究では、位相コヒーレンスなキラルソリトン格子の集団ダイナミクスにより内発的に生じる巨大スピン応答を検出し、キラル磁性応用の基盤学理を構築することを目指している。単軸性キラル磁性体が固有に示すと期待される離散化・多値化やスイッチングや非局所応答などのスピン応答の機能性を実証する。本年度は精密輸送計測、高周波ダイナミクス計測、電子顕微鏡観察などを通じた物質機能開拓に注力し、キラル磁気秩序の安定制御と機能発現に寄与する数多くの重要な知見を得た。
具体的には、磁場中のキラル磁性体の電気の流れやすさにダイオードと似た方向依存性が存在し、キラル磁気秩序の形成に伴って信号の非対称性が大幅に増大することを見出した。キラル磁性に起因する電気磁気キラル効果の初めての報告である。単軸性キラル磁性体に固有に働く表面バリア機構を解明した。表面バリアが消失する磁場と臨界磁場の比は4/π^2(~0.4)という普遍的な値で定められ、巨視的応答の起源となることを実証した。この表面バリアのためキラルソリトン格子が離散・多値応答を示すことを磁気共鳴実験において示した。同時に、集団運動に特有のモードが現れることを見出した。キラル磁気共鳴やスピン波伝搬特性を解析する上で重要な出発点となる。希土類系キラル磁性体におけるキラルソリトン格子の存在を電気輸送測定により検出し、ロックイン現象など離散応答を見出すことに成功した。基盤学理構築に向けて、キラル磁性を舞台に光、弾性、プラズモン場などの結合系が構築されることを見出した。
これらはいずれもキラル磁性応用の基盤学理を構築するための重要な研究成果であり、論文発表や学会発表を精力的に行った。昨年度に引き続き、招待講演の機会を多数いただいた。また、国際学会を7月に奈良にて主催した。こういった機会を活用し研究プロジェクトとその成果の紹介など啓蒙活動に尽力した。
具体的には、磁場中のキラル磁性体の電気の流れやすさにダイオードと似た方向依存性が存在し、キラル磁気秩序の形成に伴って信号の非対称性が大幅に増大することを見出した。キラル磁性に起因する電気磁気キラル効果の初めての報告である。単軸性キラル磁性体に固有に働く表面バリア機構を解明した。表面バリアが消失する磁場と臨界磁場の比は4/π^2(~0.4)という普遍的な値で定められ、巨視的応答の起源となることを実証した。この表面バリアのためキラルソリトン格子が離散・多値応答を示すことを磁気共鳴実験において示した。同時に、集団運動に特有のモードが現れることを見出した。キラル磁気共鳴やスピン波伝搬特性を解析する上で重要な出発点となる。希土類系キラル磁性体におけるキラルソリトン格子の存在を電気輸送測定により検出し、ロックイン現象など離散応答を見出すことに成功した。基盤学理構築に向けて、キラル磁性を舞台に光、弾性、プラズモン場などの結合系が構築されることを見出した。
これらはいずれもキラル磁性応用の基盤学理を構築するための重要な研究成果であり、論文発表や学会発表を精力的に行った。昨年度に引き続き、招待講演の機会を多数いただいた。また、国際学会を7月に奈良にて主催した。こういった機会を活用し研究プロジェクトとその成果の紹介など啓蒙活動に尽力した。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H02767
- 体系的課題番号 : JP17H02767